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CATEGORY: コラム

コラム:体調が悪いとより苦しい、感覚のずれからの痛み

これまでの記事でも、発達障害由来の生まれつきの感覚のずれについてお伝えしてきました。このずれから生じる問題を解決するデザインがセンサリーデザインです。本日は発達障害の当事者のひとりとして、そのずれについて少し掘り下げてみたいと思います。

感覚が自動でうまく処理できない

私達が挙げる感覚のずれの中でも大きなもののひとつに、専門的には感覚処理障害(SPD)や感覚統合障害(SID)と呼ばれている、自閉症スペクトラム障害(ASD)と併発しやすい困難があります。感覚が過敏すぎたり、鈍感すぎたりするせいで、気持ちが逆立って落ち着かなくなり、イライラしたり、落ち込んだりします。例えば昨日の夜、私は服のタグや縫い目が気になり何度も着替えたり、いつもは好きなサンマの煮汁がとても不快に感じられて汚いものをいじっているような感覚がしました。
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コラム:「アスペには見えないね」への答え

「人々はそれを欲するところのそれを信じる」という言葉があります。『ガリア戦記』でのカエサルの言葉らしいですが、「人は見たいように見る」と思ったり感じたりすること、私には多くあります。そんな局面のひとつが、私がアスペだと伝えたあと、相手が言葉を投げ返す場面、例えば「アスペには見えないね」という言葉を聞いたときです。

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コラム:がんばったで賞とがんばっちゃう私

「がんばったで賞」を、もらったことがありますか。私は小学校低学年の頃にもらった記憶があります。成果よりも過程を大事にするタイプの人たちが発明しそうなこの賞は、あえて発明しなければならないほど、世の中にはありふれていないもののひとつです。ふつう、がんばったから即ち成果につながることは、なかなかありません。

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コラム:栗原類さんの告白

ASD & ADHD MAGAZINE TENTONTO 代表のユミズ タキスです。本日はファッションモデルの栗原類さんが自身の発達障害を告白されたことについて、TENTONTO編集長として感じたことを述べてみたいと思います。詳細はこちらの記事をご参照下さい。

ライブドアニュース:栗原類 「あさイチ」で発達障害の一つADDであると告白
http://news.livedoor.com/article/detail/10150848/

また自身のブログでも思いの丈を伝えられています。

栗原類のブログ:改めて
http://ameblo.jp/louiskurihara-ege/entry-12031046422.html

芸能に疎い私は今日朝の栗原さんのニュースを受け、友人に尋ねたり栗原さんの出演された番組をみたりして、栗原さんのことを知りました。栗原さんの振る舞いや、告白された感覚過敏や意思疎通の困難から、注意欠陥障害(ADD)のオーバーラップのあるアスペルガーを持つ方と私には感じられました。感覚統合障害(SID)や感覚処理障害(SPD)ともされる感覚過敏・鈍麻は、注意欠陥多動性障害(ADHD)やADDのみを持つタイプの方にはあまり現れることはないとされています。

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マンガ:自閉症・アスペをこう捉えてませんか

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画像出典元:Fuchskind 様 http://fuchskind.blogspot.com/

今日はドイツ・ベルリンでアスペ漫画家として活躍する女性、Fuchskindさんのマンガをご紹介。

http://fuchskind.blogspot.jp/2012/02/asperger-autismus.html

一番上 アスペルガー-自閉症を
左上 社会はこのように捉えています
中上 私達の定型発達の友人はこのように捉えています
右上 私達の両親はこのように捉えています
左下 メディアはこのように捉えています(社会的インタラクション?さほど興味はない…)
中下 私達はこのように捉えています(母星が恋しい…)
右下 実際の私達はこんな感じです

ユミズ タキス

コラム:人を応援したいという気持ち

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自分と同じASDやADHDを持つ人たちへ何かできないか、と始めたTENTONTOの活動も、思い立ってから一年が過ぎました。

私はASDの傾向からか、人そのものにあまり興味がありません。人と話したり、友だちと遊ぶとき、人そのものよりも人の持つ能力で、その人を捉えていると思います。

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コラム:アスペが好きなモノの共通点 その1

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似たもの同士趣味が似てくるということはよくあることですが、アスペにもそのような傾向があるのではないでしょうか。

サイモン・バロン=コーエン著『自閉症スペクトラム入門』には、ASDの特徴のひとつとしてSFを好む傾向があるという記述があります。一般的にASD(自閉症スペクトラム)の方はサイエンス・フィクションを好むということは、TENTONTO no.2でも寄生獣を話題に挙げてお伝えしました。ASD傾向がある人がSFを好むのには理由があります。

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コラム:ステーキ屋に行けない

僕はステーキ屋に行けない。ビーフステーキが苦手だからだ。牛肉にアレルギーがあるとか、脂っこいのが嫌いとかではない。ビーフステーキを切ることができないのだ。ナイフとフォークを使うことはできる。けれど、ビーフステーキにフォークを刺し、ナイフを入れて切り分けることがどうしてもできない。

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コラム:冬好きの春バテ

先日は4月にもなって雪が降った。たぶん多くの人は戸惑ったと思うけど、私は寒いことをひそかに喜んでいた。というのも、私は春が来るのがあまり待ち遠しくないタイプの人間だから。

桜の花が咲き始めるこの時期、心なしか街は華やぎ、道行く人々も新生活が始まって嬉しそうな表情になる気がする。まあ最近は花粉症人口が増加の一途を辿っているらしいから、浮かれているひとも意外と少ないのかもしれない。でもとりあえず冬よりは、街も人々も活発に動き出している。
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コラム:アスペをいっそ文脈盲と呼んでみる

カエテクスティア(caetextia)と言う言葉があります。カエクス(盲)とコンテクスタス(文脈)を合わせた造語で、文脈盲を意味します。アイルランド人の心理学者のジョー・グリフィンとイギリス人の心療内科医のイワン・ティレルが2007年よりこの概念を提唱し、この文脈盲という言葉でASD、特にアスペルガーの特徴を表現、認知を広めていく活動をしています。
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