コラム:理解の範疇を超えたもの
人ひとりひとりには理解の範疇というものがあって、その範疇を超えたものごとを理解するためには、大変な労力を要する、と思う。例えばで持ち出すのがいつもスポーツの話題になって申し訳ないけれど、私はボクシングをやっているので、パンチの打ち方で説明してみる。
人ひとりひとりには理解の範疇というものがあって、その範疇を超えたものごとを理解するためには、大変な労力を要する、と思う。例えばで持ち出すのがいつもスポーツの話題になって申し訳ないけれど、私はボクシングをやっているので、パンチの打ち方で説明してみる。
青いロクです。自閉症スペクトラム(以下ASD)の当事者を描いた「シンプル・シモン」(DVD特設サイト / 過去記事でのあらすじ紹介)の感想の続きです。
本編はハッピーエンドなのですが、映画をはじめて鑑賞した後、私はぼんやりして、よく理解できませんでした。
調子や環境にもよりますが、ASD当事者である私は、他人の気持ちを類推するのが苦手です。あいまいな気持ちは、頭の中に残りにくいですし、裏付けなしに信じられません。
それに対して、図形や、原因Aの結果Bとなった、というシンプル(簡潔)な意味の繋がりは、後で思い出して見直しやすいです。
映画の作者の意図するシンプルとどれほど合っているかはわかりませんが、今回は、感情や表情に納得しづらい私が、映画の展開にひとつの裏付けを得るまでを、順に説明します。
ハッピーエンドに一度で納得できる人には、下記は当たり前のことを難しく言い直しただけの文章に思われるかもしれません。
しかし、シンプルな、繰り返し確認しやすい原因と結果で、仮説と裏付けを組み立てたとき、どう見えるかという例となっています。
一部英語のダジャレを使わないと成り立たないのが、すっきりしませんが、英語圏のASD当事者、とくに言葉を使って考えるのが得意な方には多くの手がかりがあったようです。
O = オーダー(秩序)
なかなか理解されない「自分ルール」にも、なにかヒントがあるかも。
ユミズ タキス 作
おみくじ omikuji
定型発達者から見て発達障害者は、外国人みたいに価値観が違うそうだ→『発達障害のある人の就活成功バイブル』。
日本のアスペから世界のアスペへ、発達障害(自閉症スペクトラム)当事者が日本文化を図で紹介してみる。
ASD(自閉症スペクトラム障害)の青いロクです。
感覚の違いを説明するための手がかりとして、「シンプル・シモン」という、アスペルガー症候群の若者が主人公のスウェーデンの映画を紹介されたので、これを鑑賞しました。映画の概要については「シンプル・シモン」DVD特設サイトおよび、下記の関連記事を参照してください。
O = オーダー(秩序)
なかなか理解されない「自分ルール」にも、なにかヒントがあるかも。
センサリーデザイン最前線 第7回で取り上げた「時間感覚」の違い。この違い、実はASDやADHDをもつ人の日常生活にとって、とても大きなものかもしれません。
Photo: よういちらく
人間という生き物は、鏡を見るまで自分が物体だということを認識できていないという話を聞いたことがあります。鏡を見るまでは、手や足、目などが自分についているかどうかも分からないようです。
いまの自分の気持ちとか置かれている状況が分からなくなったとき、わたしは鏡を見ることがあります。鏡にうつる自分はすごく他人に思えるためです。その他人から得られる情報を吸収します。
自分が人間だということはもちろんわかっています。鏡越しに見えるのは、申し訳なさそうについている目や口、ちょっぴり上品な鼻の穴、他者と比較しても少し出過ぎているであろう頬骨。なんど鏡を覗いてもこれが自分なのか、本当のところはやはり分からないです。
わ田かまり
本日12月11日、21時から放送のNHKスペシャル「自閉症の君が教えてくれたこと」を視聴しました。作家の東田直樹さんを取り上げたドキュメンタリー番組です。私は、2年前に同様にNHKで放送された番組の視聴をきっかけに、東田さんのことを知りました。
Photo: kasako
もし生まれ変わるというシステムが存在するのであれば、私はきっとまた人間になる気がする。理由は私自身が人間以外の他の動物に生まれ変わっても良いと思っているからである。
キリンは背が高い分、血液を循環させるのが大変だから血圧が400あるらしい。キリンでも良いな。きっと恐竜も血圧が高い。恐竜でも良いか。
そもそも人は生まれ変わることができるのだろうか。魂という単位についてはどこまでもわからないものだ。
わ田かまり