コラム:見えないがうれしい

ネオンの光がにじんで溶けていくみたい

私はお日さまや青空が眩しくて苦手だ。強い光に触れると、痛くてしみる感じがする。それに自分で気がついたのは、ずいぶん視力が下がってからだった。

小さい頃はとても目が良かったので、遠くのものまで見えた。よく見えることは、得た情報をちゃんと処理できるならメリットになると思う。私の場合、見えたものを頭の中で処理するスピードが遅いからなのか、見えすぎることが恐かった。それに見てしまったもののイメージひとつひとつに心を絡めとられて、戸惑うことが多かった。だから必要なもの以外見ないようにする、という癖がついた。今考えるとちょっとさみしい癖だと思う。
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