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CATEGORY: コラム

寂しがりじゃないことが障害になる?~カロポタと私~

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発達障害からくるハイポな感覚の違いからか、私は基本的に一般と比較してかなり我慢強い傾向があり、それもあってあまり寂しいと思わない傾向があると思います。
例えば、口寂しいに関する食事のことです。かなりお腹が減ったり喉が渇いても耐えられたりするため、本人としては意識して食べるようにしています。

しかしこの意識は充分だったのかと、ふと思い立ちました。
本人としては健康ではあるものの、通常の感覚でいえばギリギリのところで食べたり飲んでいるにすぎず、そう考えると定型者との感覚の差が広がるばかりで、だからこそもっと多く摂ってもいいのかもしれない、と。
そこでカロリーを摂る生活を近頃はじめてみています。
 
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コラム:センサリーデザインにおける優先順位の話

 
センサリーデザイン(一人ひとりの感覚に寄り添うデザイン)を発達障害の当事者として考えるとき、重要な観点として、「その人の感覚における適切な優先順位をつける」必要があると思います。自分自身の感覚を通じて、簡単に文章にしてみます。
 
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「ヒトはそれを『発達障害』と名づけました」を読んで。

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以前、Twitterでイラストを見かけたことがあったこの作品。今回は書籍版が出たということで、電子書籍版を購入して読んでみた。
https://www.kanekoshobo.co.jp/book/b605783.html

なお、本書のカラー漫画は筑波大学DACセンターのWEBサイトでも公開しているので、広くいろいろな人が読めるようになっている。
https://dac.tsukuba.ac.jp/radd/joint-base/manga/
https://dac.tsukuba.ac.jp/radd/wp/wp-content/uploads/digitalbook/jp/
 
 
ここからは、当事者のひとりでもある私が読んで感じたことを述べてみたい。

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プログラミング事始め、白黒思考知り始め

 
最近、人に勧められてプログラミングを学び始めた。理性、理性、理性…。プログラミングはどこまでも理性の世界だった。入力を受け取り、適切な処理をして、求められた結果を出力する。段取りと場合分けが大切のようだ。

段取りは、料理やプラモデルを作るときを想像するとイメージしやすかった。場合分けの方は、「もしxが0以上2以下だったら」みたいなやつだ。わたしは算数や数学がとても苦手で、いまこの場合分けに苦戦している。全部が連続して見えてしまって、ここを境に考え方を変えなければならないという、いわゆる境界条件を見定めるのが難しい。
 
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コラム:電卓速打ちと緊張せずに集中すること

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画像出典元:電卓早打ち練習 http://harukomugi.sakura.ne.jp/apps/ct/

 
 

某試験で電卓を使う機会があったので、近ごろは電卓速打ちを練習して過ごす日々でした。
このレシピ、発達障害でコントロールしにくい過集中があっても、やれば絶対速く楽に打てるようになります。

【用意するもの】(1人分)
電卓 1台
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画像出典元:シャープ https://jp.sharp/

ブドウ糖 適量
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画像出典元:Amazon https://www.amazon.co.jp/

「電卓早打ち練習」のサイトを表示できるPC
 
 

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自閉症者に機会を提供、NASAのニューロダイバーシティ・プロジェクト

今年初め、アメリカの研究者が星が最期を迎えて爆発する様子を観測したというニュースがありました。ASD者が宇宙に関心を持つ傾向がある、というのは映画「シンプル・シモン」で題材にされるように、一般にも知られています。わたしもこのニュースに単純にワクワクして、最近のASDと宇宙関連のニュースを探していたところ、こんなものを見つけました。
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画像出典元:Science – NASA
https://science.nasa.gov/

NASAが昨年から実施しているニューロダイバーシティネットワーク(N3)というプロジェクトです。

N3のWEBサイト
https://n3.sonoma.edu/

概要を説明した短い動画がありましたので、翻訳してみました。
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エッセー:センサリー・デザイナイズされた「息づく生活」を目指して

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画像出典元:株式会社ドリーム https://mydream.co.jp/

これまでTENTONTOでの活動を通して、色々な発達障害の当事者たちと会ってきた。様々な一次症状、二次症状の現れ、得意不得意の分野の違いはあれど、共通しているところ、同じく当事者で自分と通ずるところについて、自分なりに考えてきた。それは発達障害者への支援という捉えづらい存在について、自分の頭で整理したかったからでもあり、それは同時に当事者研究、つまり自分について知ることでもあった。

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終わりゆくサービスを見つめながら

 
外出自粛生活も2年と4ヶ月ほどになり、すっかり家から出ずに生活できるようになってしまった。最近はまた感染者も増えてきて、住んでいる地域で予約が始まり次第、ワクチンを早く打ちに行きたいと思っている。そんな折、便利な生活を支えてくれていたあのセンサリーなサービスがもうすぐ終わるという。

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画像出典元:Amazon https://www.amazon.co.jp/

Amazonパントリー
規定の箱(パントリーボックス)に収まる範囲でいろいろな商品を詰めて注文できるサービス。

通販といえば送料がかかるので、同じ商品の箱買いになりがちなところを、一回につきバラで色々と買えるところが魅力だ。家から近所のスーパーは微妙な距離にあるので、疲れやすい私はかさばる日用品を買うのに以前から利用していた。生鮮食品などは選べないが、レトルトカレーなどはもちろん、うまく選べば水で戻す野菜や豆、ささみ肉、豆腐といったパック品を揃えられる。もちろんカップラーメンやお菓子などの食品も買える。ほぼネットスーパーのように利用できて、このところは重宝していた。

また、Amazonは「置き配」ができるので、受け取るためにコミュニケーションをしなくて良いところが、人と話すのが苦手な私としては大変気に入っている。ドア前に置かれている箱を家の中に運び込む度、PS4ゲーム『DEATH STRANDING』の世界の住人になったような感覚を味わっている。BT(DEATH STRANDINGにおける正体不明の怪物)ならぬウィルスから逃れる生活は、ポーター(配送人)達の助けなくして成立しない。

このお知らせを目にしたとき、「ああ、コロナ禍で、わたしのような使い方をする人が増えて、負担をかけてしまったのかもしれない」と思った。道具しかり、サービスしかり、想定された使い方をしないために使えなくなってしまう、というのは、便利なものほどありがちなことのひとつだ。

サービス終了まであと1ヶ月弱。これに代わるサービスが見つけられるだろうか、というのが、小さいようで重要な生活の悩みである。
 
 
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退屈、なだけじゃない、ASD & ADHDにとっての「システム」の話。~チェス編~

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画像出典元:Lichess.org https://lichess.org/

代表のユミズです。これは私の愛用の「グルゲニゼシステム」の図です。今日は趣味のチェスの話を通して、発達障害(自閉症スペクトラム)当事者の好むシステムというものと、センサリーデザインについて語ってみたいと思います。
 
 

発達障害(自閉症スペクトラム)の当事者はシステム化指数(SQ)が高いとされているが、私もシステムが大好きだ。システムへの愛好は、メモリ(作動記憶)が小さく、見落としを多発させやすいASD+ADHDの私の身を非常に助ける。

電車しかり、自然科学しかり、コンピュータしかり、シミュレーションゲームしかり。いつも自分を助けてくれるから、決まった動きをするものの構造に興味が湧くし、研究し、自分がシステムを作ることにも熱心になれる、というものだ。

さて、頭脳スポーツ、チェスの序盤定跡(オープニング)にも、システムと呼ばれる種類のものがある。細かい相手の応手を覚えていなくても、ほとんど同じ陣形を組めるタイプの定跡だ。面白い話題なので、チェスをやったことがない人にも伝わるよううまく言葉を選んで書きたい。

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トラブルメーカー、かく考える

 
こんにちは。テントントメンバーのTEHOです。今日は最近私が引き起こした職場でのトラブルについて、お話ししてみたいと思います。
 
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