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コラム:発達障害者も住みよい「暮らすプロダクト」のデザインについて考えてみた

 
この間、駅のホームで高級寝台列車が停まっているのを見かけました。見るからにお金のかかった外装のデザイン。きっと特別なときに乗るのでしょう。

そういう寝台列車ではないですが、私も寝台列車に乗ったことがあります。駅のホームから電車に乗って自分のコンパートメントに入ると、駅での雑踏から一転、こじんまりとして自分だけの空間という感じがします。そのときは造り付けの寝具でダニにくわれて大変な思いをしたのですが、空間としては好ましいなと感じたのを覚えています。
 
 
公共の場において個人的なスペースが得られることの価値も高いものがありますが、雑踏の感覚刺激に非常に疲れてしまいやすい発達障害の当事者としては、公共の場を通り過ぎずに個人的なスペースに居るまま移動できる自家用車は、かなり快適だったりします。

それの究極に快適な形、キャンピングカーのような空間プロダクトは、当事者として落ち着ける場所の代表なのかもしれない、とも思います。
 
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オーディオインターフェイスはセンサリー。『KOMPLETE AUDIO 2』使ってみた

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画像出典元:Native Instruments https://www.native-instruments.com/jp/

ちょっとした刺激を拾いすぎるから、できるだけ蓄積していくトゲトゲしたストレスを少なくしたい。

耳から入ってくる音の質を良くしたくて、手頃に手に入るオーディオインターフェイスでシンプルなモデルを買ってみた。ドイツの企業、Native Instruments社のKOMPLETE AUDIO 2を通してPCで再生する音楽は、音量が大きくても不快ではなかった。むしろ様々な種類の音が耳に触れていくのがはっきりとわかって刺激そのものを楽しめた。てっきり自分は大きな音が苦手なのだと思っていたけど、これならライブの映像もどんどん観たい。

しかめ面でいる自分をほどいていくと、知らない世界にたどり着けるのかもしれない。

marf

格ゲー初心者のストリートファイター6体験記

こんにちは。marfです。先月初めに発売された対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター6』(通称スト6)。格ゲーに興味がなかったのではじめは特にやるつもりもなかったのですが、ユミズ氏にオススメされて気が向いたのでチャレンジしてみました。
 

なぜ今までやってこなかったか

  • いわゆる格ゲーはゲームセンターで遊ぶイメージがある
  • ゲームセンターは人の気配や、音・光・匂いが苦手
  • 操作が難しそう
  • キャラクターが暴力を振るいあうのを見るのが辛い
  • プレイヤーが格ゲーで何を得たいのかピンとこない
  • なぜ今回やろうと思ったか

  • 家にあるPS4に対応しているので、自分に合った環境で遊べる
  • スト6にはモダン操作という画期的に簡単な操作モードがある
  • 最近、武術や格闘技に興味があり動画などを見ていたので、試合風景を見ても辛くない
  • 武術や格闘技の精神的な部分を体験できるかもしれないと思った
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    大人気ゲーム『Apex Legends』、ASD+ADHD者がはじめたてで試してみた方がいいこと

    こんにちは、ユミズです。
    このサイトTENTONTO webでは、これまでもゲームが発達障害者に与える良い影響についてお伝えするとともに、発達障害を持っていてもゲームを楽しく遊べるような工夫や、発達障害者が遊びやすいゲームデザインについての話題を取り上げてきました。

    感覚過敏によって一般の多くのプレイヤーと異なる不快を感じたり、また協力プレイのゲームであれば過集中や認知のズレでタイミングやコミュニケーションがうまくとれない状況に陥りやすいのが発達障害者。静かに落ち着いてできるゲームをプレイするのも楽しいですが、ときには激しいゲームにチャレンジしてみるのもまた、自分の特性に対する対応策を考える面白さや学びがあってオススメです。

    やはりゲームというのは、今の世代においては集って楽しむための欠かせないツールでもあり、今回も私ユミズは定型発達メンバーの原に誘われて『Apex Legends』をはじめてみることになりました。まだはじめて1ヶ月足らずといったところで、ようやくゲーム性が理解できて遊びやすくなってきつつある段階なのですが(もう少し上達すれば、TENTONTO読者向けにゲーム性の紹介記事を書いてみてもよいかとは考えています)、はじめたてで発達障害者として困難に感じたこと、またその困難への対応策について本日はお伝えしてみたいと思います。
     
     

    速くて忙しいゲーム

    『Apex Legends』はバトルロイヤルゲームというジャンルの、生き残るためにアイテムを集めつつ闘うチーム戦のシューティングゲームです。未来の世界を舞台にしたこのゲームは操作するキャラクターたちがパルクールのようにダイナミックなアクションをできるのが特徴で、移動速度も驚くほど速いです。
    自分たちの他に19チームがひとつの島に降り立っており、その中で最後の1チームになることを目指すのですが、そのためには少しでも自分のチームを有利な状況に持っていく必要があります。その少しでも有利にするために求められるのもまた速さなのです。

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    寂しがりじゃないことが障害になる?~カロポタと私~

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    発達障害からくるハイポな感覚の違いからか、私は基本的に一般と比較してかなり我慢強い傾向があり、それもあってあまり寂しいと思わない傾向があると思います。
    例えば、口寂しいに関する食事のことです。かなりお腹が減ったり喉が渇いても耐えられたりするため、本人としては意識して食べるようにしています。

    しかしこの意識は充分だったのかと、ふと思い立ちました。
    本人としては健康ではあるものの、通常の感覚でいえばギリギリのところで食べたり飲んでいるにすぎず、そう考えると定型者との感覚の差が広がるばかりで、だからこそもっと多く摂ってもいいのかもしれない、と。
    そこでカロリーを摂る生活を近頃はじめてみています。
     
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    コラム:センサリーデザインにおける優先順位の話

     
    センサリーデザイン(一人ひとりの感覚に寄り添うデザイン)を発達障害の当事者として考えるとき、重要な観点として、「その人の感覚における適切な優先順位をつける」必要があると思います。自分自身の感覚を通じて、簡単に文章にしてみます。
     
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    「ヒトはそれを『発達障害』と名づけました」を読んで。

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    以前、Twitterでイラストを見かけたことがあったこの作品。今回は書籍版が出たということで、電子書籍版を購入して読んでみた。
    https://www.kanekoshobo.co.jp/book/b605783.html

    なお、本書のカラー漫画は筑波大学DACセンターのWEBサイトでも公開しているので、広くいろいろな人が読めるようになっている。
    https://dac.tsukuba.ac.jp/radd/joint-base/manga/
    https://dac.tsukuba.ac.jp/radd/wp/wp-content/uploads/digitalbook/jp/
     
     
    ここからは、当事者のひとりでもある私が読んで感じたことを述べてみたい。

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    プログラミング事始め、白黒思考知り始め

     
    最近、人に勧められてプログラミングを学び始めた。理性、理性、理性…。プログラミングはどこまでも理性の世界だった。入力を受け取り、適切な処理をして、求められた結果を出力する。段取りと場合分けが大切のようだ。

    段取りは、料理やプラモデルを作るときを想像するとイメージしやすかった。場合分けの方は、「もしxが0以上2以下だったら」みたいなやつだ。わたしは算数や数学がとても苦手で、いまこの場合分けに苦戦している。全部が連続して見えてしまって、ここを境に考え方を変えなければならないという、いわゆる境界条件を見定めるのが難しい。
     
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    コラム:電卓速打ちと緊張せずに集中すること

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    画像出典元:電卓早打ち練習 http://harukomugi.sakura.ne.jp/apps/ct/

     
     

    某試験で電卓を使う機会があったので、近ごろは電卓速打ちを練習して過ごす日々でした。
    このレシピ、発達障害でコントロールしにくい過集中があっても、やれば絶対速く楽に打てるようになります。

    【用意するもの】(1人分)
    電卓 1台
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    画像出典元:シャープ https://jp.sharp/

    ブドウ糖 適量
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    画像出典元:Amazon https://www.amazon.co.jp/

    「電卓早打ち練習」のサイトを表示できるPC
     
     

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    自閉症者に機会を提供、NASAのニューロダイバーシティ・プロジェクト

    今年初め、アメリカの研究者が星が最期を迎えて爆発する様子を観測したというニュースがありました。ASD者が宇宙に関心を持つ傾向がある、というのは映画「シンプル・シモン」で題材にされるように、一般にも知られています。わたしもこのニュースに単純にワクワクして、最近のASDと宇宙関連のニュースを探していたところ、こんなものを見つけました。
    N3icon_0

    画像出典元:Science – NASA
    https://science.nasa.gov/

    NASAが昨年から実施しているニューロダイバーシティネットワーク(N3)というプロジェクトです。

    N3のWEBサイト
    https://n3.sonoma.edu/

    概要を説明した短い動画がありましたので、翻訳してみました。
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