大人気ゲーム『Apex Legends』、ASD+ADHD者がはじめたてで試してみた方がいいこと
こんにちは、ユミズです。
このサイトTENTONTO webでは、これまでもゲームが発達障害者に与える良い影響についてお伝えするとともに、発達障害を持っていてもゲームを楽しく遊べるような工夫や、発達障害者が遊びやすいゲームデザインについての話題を取り上げてきました。
感覚過敏によって一般の多くのプレイヤーと異なる不快を感じたり、また協力プレイのゲームであれば過集中や認知のズレでタイミングやコミュニケーションがうまくとれない状況に陥りやすいのが発達障害者。静かに落ち着いてできるゲームをプレイするのも楽しいですが、ときには激しいゲームにチャレンジしてみるのもまた、自分の特性に対する対応策を考える面白さや学びがあってオススメです。
やはりゲームというのは、今の世代においては集って楽しむための欠かせないツールでもあり、今回も私ユミズは定型発達メンバーの原に誘われて『Apex Legends』をはじめてみることになりました。まだはじめて1ヶ月足らずといったところで、ようやくゲーム性が理解できて遊びやすくなってきつつある段階なのですが(もう少し上達すれば、TENTONTO読者向けにゲーム性の紹介記事を書いてみてもよいかとは考えています)、はじめたてで発達障害者として困難に感じたこと、またその困難への対応策について本日はお伝えしてみたいと思います。
速くて忙しいゲーム
『Apex Legends』はバトルロイヤルゲームというジャンルの、生き残るためにアイテムを集めつつ闘うチーム戦のシューティングゲームです。未来の世界を舞台にしたこのゲームは操作するキャラクターたちがパルクールのようにダイナミックなアクションをできるのが特徴で、移動速度も驚くほど速いです。
自分たちの他に19チームがひとつの島に降り立っており、その中で最後の1チームになることを目指すのですが、そのためには少しでも自分のチームを有利な状況に持っていく必要があります。その少しでも有利にするために求められるのもまた速さなのです。
この速さの部分が、マイペースな発達障害者にはとくに困難に感じる部分だと思います。速いということは、色々なことが目まぐるしく起こるということでもあり、ひとつひとつを丁寧に確認する余裕がありません。そのため私も最初のうちは、どうしたらいいのか途方に暮れる感じがありました。
できることが多いのもこのゲームの特徴で、ステージには色々な装置やアイテムがあり、また常に同じアイテムが拾えるわけでは無いので、それらひとつひとつ操作の特徴の異なるものの素早い使い分けが勝利につながっていることが、忙しさに拍車をかけている印象です。もちろん勝利を一旦置いておいて、のんびり散歩するような遊び方もあると思いますが、負けず嫌いの定型メンバーの原がそんなことを許すわけもなく、とにかくその速さに巻き込まれていく形でまずは遊び始めたのが私の最初の1週間でした。
速さを「遅く感じる」ようにするために
そこで考えた対策は、
・どんどん初心者向け動画を調べて観ていく
・操作に関しては訓練場モードを使えば、一人で繰り返し練習できるので練習する
・ゲーム展開については、使いこなせないアイテムを拾うより、慣れている人(今回の場合は原のマップ上の矢印)に付いていくことをメインで行なって、ゲームがどのように展開するかの流れを覚えていく
・ゲーム終了後にダメ出ししてもらったり質問をして、1回1回の経験を整理していく
の4つをなるべくやっていくように心がけてみました。
何が自分にとってピンとくるか、には個人差があると思うので、色んなやり方を試したり色んな解説者の動画をみてみたりして、ピンとくるまでそれを続けることの繰り返しで徐々にこのゲームの中で動く上での自然さが増えていきます。ピンと来ないまま無理に続けても先には進みづらいので、自分のわからないことに丁寧に向き合うことにマイペースさを発揮することで遊びやすくなっていきました。
「このゲームは何を具体的に目指して行動しているのか」が分かれば、それだけ行動もスムーズに行えるようになりますが(現在はその段階まで来ている感じがあります)、その具体的なものを「ゲーム内で自然に感じられる」ようになるための対策をぬかりなくやっていくことの大切さが改めて分かりました。
ASDのもつ集中力、ADHDのもつ様々なものにアクセスする力は、いつどこでマイペースを使うのか次第で、こういったチーム戦のゲームにも活用できそうに感じています。皆さんもチームメンバーとの信頼関係のもと、このようなチャレンジをしてみてはいかがでしょうか。
ユミズタキス