コラム:自閉症と馬 その1

これまで馬に興味があったけど、動物園で見かけた以外に接点がない人生を送ってきた。ふと思い立って東京競馬場に行ってみることにして以降、現地で馬を見るのにハマっている。先週は競馬場内の施設で体験乗馬をすることができたので、馬と触れ合ってみて感じたことを書いてみる。
 
 
 
近くでみると、やはり馬は大きい。(体重が470kgとか普通にいる)一方で脚が細い。あんな巨体を支えられるのかと怪我しないか心配になる。そして首から胴体が筋肉の塊みたいだ。あのムキムキでものすごいスピードを生むのだな。

馬の個体差なんて見分けがつかないと思っていたが、実際にパドック(レース前の下見の場所)で歩く姿を見てみたら想像以上に個性的だった。

歩きながら首を上下に振っていたり、厩務員さんに話しかけるように顔を向けていたりする。たまに嫌がって跳ねたり、いなないたりする。機嫌良さそうに顔を上げてパカパカ歩いているのもいれば、疲れているのかだるそうに歩いているのもいる。また、「俺はやってやるぞ」とばかりに試合前のボクサーみたいにギラギラしたやつもいて、意外と感情が見えるのだ。

場内には有名な競走馬のグッズが売っていたりして、特定の馬にファンがつくのも理解できる。
 
 
 
競走馬に比べると、場内に展示されている馬や、体験乗馬で触れ合える馬は大変おとなしい。馬を見つめていると、馬も静かに私を見つめてきた。そこで私は何となくポケモンのラプラスを思い出した。

ラプラスといえば主人公を背中に乗せて、「なみのり」という技でマップの水上を移動できるポケモンだ。なんとなくラプラスの目と馬の目が似ていると感じたのは、両方とも人間の「のりもの」になってくれるからだろうか?

「あなたは私に乗る人間ですか?…違うんですか?そうですか…(草むしゃむしゃ)」馬は私を乗せることを仕事だと思っていそうに見えた。
 
 
 
体験乗馬の待機列に並んでいるとき、先に馬に乗せてもらっている人達を眺めていた。子供も居たけれど、私より若い人でも年上の人でも大人達が全員ニコニコして居たのが印象的だった。

馬の背中に乗ると視点が高くなる。なにせ馬に乗るために階段を5段も登った。

ハンドルのついた鞍に座ると、スタッフの方が2人付いてくれた。1人が馬を引いて、もう1人は安全のために乗っている私の足を持つ。馬が片足を踏み出す度、肩甲骨が動くのを跨っている太ももで感じた。思った以上に揺れるが、なかなか心地よかった。

ふかふかした土で覆われた馬場を一周する。実際の時間は1分ほどだったが、濃い体験だった。楽しかったので、いつかもっと長い時間乗ってみたい。
 
 
 
もともと興味があった馬。近くで見たり、触れ合ってみるうち、「なんだか好き」に変わってきた。

体験乗馬した私は客だったけど、もし日常的に馬に乗るなら、それは仕事のためだろうか?だとすれば、馬と私の関係は仕事仲間となるので対等な感じがして、なんだか良い。

動物と対等な関係を築けるのは素敵だろうなと夢想している。
 
 
 
marfが癒された馬動画 – Yogibo Versailles Resort Farm
馬の素直な反応が映っているように見える
 
 
marf