あの人のコーヒーを飲みたくて

 

私はコーヒーが好き
香りよし味わいよし
寝る前だろうが食事の前だろうが
いつでも飲む

なぜなら
安らぎと程よい覚醒をくれる
波立つわたしのこころをなだめてくれるから

いつもはインスタントを適当に入れて
ひとりで適当に飲む
でもたまに
場所や雰囲気、状況が大事なときもある

 

私のこころが何かにもたれかかりたいとき、
ひとりじゃ飲めないな

お酒と似たようなところがあるかもしれない

 

先日、ちょっとこころにピンチが訪れた
そんなとき私が思い出したのは
私がかつて通い詰めたある喫茶店

マスターがひとりのこじんまりしたお店
ドアを開けるとカランカランとベルが鳴る
カウンターのスツールに座ると
「…いらっしゃい」
と言って、いつもの、を入れてくれる

無口だけれど、良いものを出そうという真摯な気持ち
無駄のないうつくしい所作と
一杯のコーヒーで私に伝わってきた

 

いっとき本当に毎日訪れていたけれど
通わなくなってしばらく経つ
すっかり忘れていたのに
マスターのコーヒーが飲みたくてたまらない

知人やインターネットを使って調べて
結構な時間をかけて、やっとたどり着いた
マスターは変わっていなかったけれど、
私のことは覚えていなかった

でも、カウンター越しに出してくれたコーヒー
ほわりと湯気をたてて、つややかな液体

「入れたての…
 熱いヤツを… どうぞ」

と言うから、急いで飲んで
涙ぐんでしまった

すごくおいしかった

つらい気持ちで
しわくちゃだったこころがほぐれて
暖かな光が透けていくようだった

また沢山通って
いつもの、を淹れてもらおうっと

marf

 

 

hatonosu

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