一概に語れない理由、ASDのスペクトル性

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センサリーデザインとは? 第5回

ASD & ADHD MAGAZINE TENTONTO 代表のユミズ タキスです。

このコーナーでは、私達TENTONTOが皆さまに一番お伝えしたいこと、センサリーデザインについて、僭越ながらご紹介させて頂きます。第5回は、センサリーデザインの対象をより深く知って頂けるよう、自閉症スペクトラム(ASD)の特徴の様々な現れ方(スペクトル性)をご紹介します。

今回はアメリカ疾病管理予防センターのサイトにまとめられた記載をご紹介させて頂きます。


http://www.cdc.gov/ncbddd/autism/signs.html

私なりに和訳をしてみましたので、もし宜しければこちらもご参照下さい。

症状の範囲の例

下の図の解釈―おそらくこの人は平均的な知能を持ち、他者にはあまり興味を持たず、ごく限定的な音声的言語を使い、ハンドフラッピングのような激しい自己刺激的行動を経験し、痛みに対する反応が薄く、音に対する反応が過敏で、非常に高い粗大な運動のスキルがあり、細かい運動のスキルに苦手があります。これらの症状はひとりひとり非常に幅を持ってみられることがあります。

知能尺度

ID ---●------ ギフテッド

社会的インタラクション(アイコンタクトをすること、他者とのインタラクションを楽しむこと、など)

他者に興味を持たない --●------- 多様な交友関係

コミュニケーション(コミュニケーションのために正しく言葉を使うこと)

非音声的言語 -●-------- 音声的言語

行動(反復性行動、ハンドフラッピングのような異常行動、など)

激しい --●------- 穏やか

感覚感受性(触覚、嗅覚、聴覚、味覚、感覚の反応)

非常に鈍感 -●痛覚---●聴覚- 非常に敏感

運動(歩行のような粗大な運動のスキル)(指を使って小さなものを掴むような細かい運動のスキル)

非協調的 -●微細---●粗大- 協調的

その人そのものを対象にデザインする

ここでは7つの要素によって、ASDの特徴であるスペクトル性をわかりやすく整理して説明しています。実際にはそれぞれの要素が歯車のように噛み合って、他者との感覚の違いが生まれています。このような手法を用いて、ASDの特徴の現れ方がひとりひとり異なるという前提をもって調査、分析し、その人そのものに合った暮らしをデザインすること。ここでも述べられている要素のひとつ、感覚感受性に注目してデザインするセンサリーデザインの考え方は、そのようなデザインを目指すための大きな役割を担っていると、私達TENTONTOは考えています。
 
 
 
 

~こちらは2015/02/19公開の記事の再掲載です~