自閉症スペクトラムをもつ少年(10)の思いを綴った詩、facebookで話題に
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テントントさんがやってみたコト 第21回
みなさん、こんにちは。TENTONTOメンバーのmarfです。
自閉症スペクトラムをもつ10歳の男の子が書いた“I Am”という詩が、今話題になっています。2週間前にFacebookにて投稿されたこの詩は、自閉症児を育てる親たちを中心に大きな反響を呼び、今日までに3万以上Likeされています。
本日はThe Huffington Post Australiaにこの詩についての記事がありましたので、一部を日本語訳にしてご紹介いたします。
10-Year-Old Boy’s Moving Poem Gives A Glimpse At Life With Autism(2016/04/12)
10歳のベンジャミン・ジルー君は自閉症スペクトラムを持っています。彼は学校の授業で「私は○○です」「私は○○と思います」のような言葉を使って詩を書くことになりました。今回の“I Am”と題した詩は、そこで書かれたものです。
(以下拙訳です)
ぼくはね
ぼくは変わってる、まだ知られてない子
ぼくはきみもそうなのかどうかわからない
ぼくは何もないところに声を聴く
ぼくはきみがしないって知ってる、そんなのはおかしいって
ぼくはかなしい気持ちになりたいわけじゃない
ぼくは変わってる、まだ知られてない子
ぼくはきみもそうなんじゃないのかなって思ってる
ぼくは別の宇宙の男の子のような気がする
ほくは星にさわったよそ者みたいな気分だ
ぼくは他の人が考えてることが気になるよ
ぼくは他の人たちが笑っていると、思わず小さくなってしまう
ぼくは変わってる、まだ知られてない子
ぼくはきみもそうなんだって今は思う
ぼくは“世界に見捨てられたような”気持ち
ぼくは認められる日を夢みてる
ぼくは馴染もうとする
ぼくはいつかできると良いと思う
ぼくは変わってる、まだ知られてない子だ
彼の父親サニー・ジルーさんは、奥さんとこの詩を読んで感動し、涙を流されたそうです。全米自閉症協会が今年4月10日、facebookにこの詩を貼ったところ、33000件のいいね!と4000件以上のコメントが付きました。(4月24日現在)
サニーさんと奥さんはこの詩を通して、今までわからなかったベンジャミン君の気持ちに気づけて、とても嬉しかったのだそうです。そして、自分たちと同じように自閉症スペクトラム児をもつ親たちに息子の詩を共有してみることにしたのだとか。
「ベンジャミンに彼が奇妙でもなければひとりぼっちでもないし、孤立してもいないのだと示したい。そして自閉症の診断がついていることは、何かを受け入れることであって、彼の足を引っ張ることではないのです」、とサニーさん。
“I try to fit in,”「ぼくは 馴染もうとする」の部分について、「反応(この詩にたくさんのいいね!が付いたこと)が彼がひとりではないことを明らかにしています」と熱く語っています。
「どの いいね! も シェアする や コメント も 彼がこの世界に馴染めない、属せない、なんてことはないのだという気持ちにさせたので、彼は受け入れられています。しかしまた、彼が感動してきた言葉の数々を超えて彼の心をも揺り動かしたのです。」
この詩には“I am odd, I am new.”というフレーズが繰り返し出てきます。直訳すれば「ぼくは奇妙です、ぼくは新しいです。」ですが、この言葉にはベンジャミン君含め、自閉症スペクトラムをもつ人たちの”孤独”が込められているように、私は感じました。