当サイトで度々お伝えしているキーワード「センサリー」を、考えるよりも「体感」してもらおうというコーナー、【センサリーを聴く】。このコーナー第4回で取り上げた、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーことダニエル・ロパティンが切り拓いたと言われる最新の音楽ジャンル「ヴェイパーウェイヴ(vaporwave)」。そのサブジャンルでダンスミュージックの曲調を持つ「フューチャーファンク(future funk)」より、Artzie MusicのTANUKIによる『BABYBABYの夢』をお届け。
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Photo: 桐野零
先日、正式に引っ越して以来初めて実家に顔を出した。ふと思い立って父親にプレゼントを渡すことにしたのだ。私と父はほとんど会話を交わさない。不意に会ってしまう時があれば「こんにちは」が交わされる。夜も「こんにちは」だし、朝も「こんにちは」だ。
私の父は生粋のゲーマーで、60年間ゲームと共存してきたようなそんな男である。私は過去一度だけ、父にプレゼントをしたことがある。この時も今回同様思い立った私は、糸井重里さんの手がけたMOTHERシリーズのキーホルダーをガチャガチャで全種類集めた。3回かぶったらあげるべきではないと考えていたのだが、6種類のキーホルダーを2回だけ被らせてコンプリートすることに成功した。そして何か義務感を感じながらその6種類のキーホルダーを何の前触れもなくプレゼントした。自信はないが、おそらく喜んでいたと思う。
今回は、食べることに対し興味がそがれてしまったことを母から聞きつけ、アップルパイとイチゴのケーキをプレゼントした。ケーキ一つをあげるのは何だか気が引けたので、ならば二つあげようと考えた。「2つのケーキです。2つともあなたが食べて構わないものです」と告げ、冷蔵庫に詰め込んだ。父は状況が読み込めていなかったようだが、相槌のような吐息のような音を発していた。久しぶりにこんにちは以外の声を聞いた気がした。
わ田かまり
当サイトで度々お伝えしているキーワード「センサリー」を、考えるよりも「体感」してもらおうというコーナー、【センサリーを聴く】。6回目の今回は英・ワープ・レコーズ所属のアーティストBibioの、岩石標本の輝きを映像化した美しいミュージック・ビデオをご紹介します。今年の4月1日に発売したばかりの最新アルバム『A Mineral Love』より、『Light Up The Sky』です。
「無機質」が織りなす光の中。美しいものと、自分だけが存在する世界が広がります。no.4で取り上げた、石を愛する地質コンサルタントのASD者・シタさんの感じている世界とシンクロしているかのようなビデオに仕上がっています。
ユミズタキス
Photo: 斧
私は慣れない環境や新しいことに対しての適応能力が群を抜いて低い。
「人は失敗を経て学ぶ」という考えがある。私は新しいことに取り組んだ時、必ず失敗をする。そしてその失敗はかなりの規模の大きさを誇る。大きな失敗というのは次の成功につながると感じるし、私自身一度失敗したことは二度目以降絶対にしないという自信はある。しかし、現実というのは厳しいものである。私の失敗の規模が大きすぎるが故に、成功につながることが約束されている”次”がやってこないことが多々あるのだ。これは本当に小さい頃からさほど変わっておらず、むしろ年々失敗の度合いは悪化しているようにも見受けられる。
最近の引越しでも新しい街に馴染むことができず、新居では様々な動揺を繰り返してしまっている。
ある日は買ってきた卵をワンパック家の前で落とし、エコバックの中でいくつもの卵黄と卵白が入り混じった。一緒に買った豆乳パックと大根が少し黄ばんだ。またある日には、ipodを流しながらもやしを茹でる”ながら茹で”をしていたところ、ひょんなことでお鍋にipodが落下してしまう。取り急ぎ救出しようと目の前にあったザルを使いipodを救ったものの、すでに音を失っていた。もやしは何が起こったか分かっていないようだった。
先日は人生で一度も欠かすことなく着用してきたブラジャーを忘れた。幸いパンツは履いていた。
この動揺はいつまで続くのだろうか、早く新しい街に慣れたいものである。
わ田かまり
画像出典元:The Guardian 様 http://www.theguardian.com/international
みなさんこんにちは、TENTONTOメンバーのmarfです。
世界のセンサリーデザイン最先端をご紹介しているこのコーナー。本日は、イギリスのイラストレーター、メラニー・ウォルシュさんがアスペルガー症候群についてわかりやすく描いた絵本、“Isaac and His Amazing Asperger Superpowers!”(『アイザックと彼の驚くべきアスペルガースーパーパワー』)をご紹介します。
メラニーさんは双子の息子を持つお母さんです。息子さんの一人で現在20歳のベネディクトくんがアスペルガーだと診断された時(当時8歳)に、メラニーさん自身がこの絵本を読めていたらよかったと話しています。
先月発売されたこの絵本。発売に際してメラニーさんによるコメントを英・ガーディアン紙より、和訳してお届けします。
http://www.theguardian.com/childrens-books-site/gallery/2016/apr/02/aspergers-autism-awareness-week-isaac-and-his-amazing-asperger-superpower-melanie-walsh
本日は私達TENTONTOに新しいスタッフが加わりましたので、みなさまにご紹介させていただきます。ASD傾向をお持ちの女性の方で、写真、イラスト、アクセサリ制作とさまざまに創作活動をされていて、ご自身のwebショップも運営されています。以下は自己紹介とこれからの活動の抱負について、本人からのメッセージです。
はじめまして
札幌の古本屋トロニカさんで
テントントを見つけました
最初はカワイイ!という気持ちだけで冊子を手にしたのですが
家に帰ってよく見てびっくり。
発達障害のひとたちと、定型発達のひとが
なんだか色々やっている!!
これは…参加しないワケにはいかない!!とすぐさま連絡を取ったわけでした。
わたしは88年生まれで、幼稚園のときから写真を撮り続けています。
ものづくりも大好きで、絵の具をキャンバスに塗りたくるのも好きです。
言葉を発して自分を表現するのがとても苦手です。
発達障害とわかったのはつい最近。
自分が消えるまえに、自分はここだよ、ここでこう生きてるよ、と、人に知って欲しい。
「大丈夫だよ ゆっくり そのままで 。」を伝えたい。
テントントではそんな思いで活動をしていけたらいいなと思っています。
よろしくお願いします。
画像出典元:Daily Star 様 http://www.dailystar.co.uk
こんにちは、TENTONTOメンバーのmarfです。
本日はイギリスのニュースサイト、Daily Starより、アイザック・オリオーダンさんをご紹介します。
アイザックさんは5歳で織物を始め、12歳で既に自分のファッション・ラインをデザイン・製作していました。彼は自閉的であるためにいじめられている学校の仲間達をたくさん見てきました。でもその考えは幾度となく繰り返されるファッションショーを見ているうちに変わっていきます。彼はロンドンファッションショーで勝つ前から、最初のオートクチュールのラインを始めていました。それこそ彼のベッドルームからすべて始まっていたのです。
Autistic schoolboy becomes top fashion designer at just 16(2014.8.19)