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TAG: センサリーデザイン

最終的に発達障害者の身を助くのは自らの○○○○

shiryo

ユミズ タキス 作

テントントの僕らの目が輝くもの:Patrick’s Parabox

テントントの僕らの目が輝くもの 第20回

こんにちは、TENTONTOメンバーのmarfです。

ASDやADHDをもつ人たち(テントントさん)の心をウキウキさせるものをご紹介するコーナー【テントントの僕らの目が輝くもの】。本日ご紹介するのは倉庫番系パズルゲーム『Patrick’s Parabox』。センサリーな魅力にあふれた作品で、いま私が一番はまっているゲームです。

箱を押して目的地に運ぶパズルゲーム、倉庫番。倉庫番系のゲームは有名なものだとゼルダの伝説での宝箱ミニゲームがありますが、見た目よりも歯ごたえのあるパズルで長年親しまれているジャンルです。

このゲームは、箱の中の世界が入れ子になっているのが特徴です。思いがけない動きができるのであれこれ考えがいがあります。また文字情報が全然なく、自分で箱を動かして試してみることだけでパズルを解くことになるため、知恵の輪を解いているようで楽しいです。

そしてこのゲームの何がセンサリーかというと、
1.ペナルティがない(何度でもやり直しができる)こと
2.曲と音が静かで色がきれいなためパズルに集中できること
3.人(他プレイヤー、作者のエゴなど)の気配がないこと
があると思いました。

【ACADEMY】自閉症にやさしいゲームの作り方

この記事でも挙げられているように、演出が控えめでびっくりしない点や、失敗や人の気配などプレッシャーになる要素が抑えられている点がセンサリーだと思いました。

快適なゲームなのでパズルの内容について考えるのが楽しく、その日解けなかったパズルも翌日に閃いて解けたりすることもあり、クリアできる喜びが得られるのでオススメです。
 
 
marf

コラム:センサリーデザインにおける優先順位の話

 
センサリーデザイン(一人ひとりの感覚に寄り添うデザイン)を発達障害の当事者として考えるとき、重要な観点として、「その人の感覚における適切な優先順位をつける」必要があると思います。自分自身の感覚を通じて、簡単に文章にしてみます。
 
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ディスプレイ業大手 乃村工藝社、センサリールームの調査・研究を開始

ライターの青いロクです。昨月28日のニュースリリースによると、大手ディスプレイデザイン会社の乃村工藝社が、筑波大学・佐々木准教授と協力して福岡PayPayドームにて「センサリールーム」の利用環境を調査したようです。国内のディスプレイ業大手がセンサリールームを研究テーマとして公表するのは、おそらく初めてのことです。

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画像出典元:乃村工藝社 https://www.nomurakougei.co.jp/
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YURENIKUIランニングポーチは運動するADHDに必須かもしれない

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画像出典元:YURENIKUI http://yurenikui.jp/

センサリーデザイン最前線 第68回

代表のユミズです。熱暑が続いている昨今、夏に屋内にこもりがちなのは仕方ないなと思う反面、やっぱり外で身体が動かしたくなるのも運動好きADHDのサガ。明け方ごろに近所の公園や裏山へ行って運動欲を満たす私ですが、それでも相当な暑さです。

発達障害を持っていると、一次障害的に痛みや苦しさに鈍感(ハイポ)なために、自分の感じているよりも身体の方がピンチに陥りやすい傾向がある人々がいます。私はもともと遺伝的に暑さに比較的強い面はあれど、ただでさえADHDで気が散りやすいので、なるべく体調管理を意識していないと危険なタイプと自己認識しています。

ただ、私の運動するときのポリシーとして「格好から入らない」というのがあります。身体を余計なものを揃えず持たずで、道具を揃えて満足するのではなく、身体の方を鍛える、実力を上げることに優先順位をもっていけるようにするための考えです。

そのため着のみ着のままで運動することが多いのですが、春ごろにウェアの胸ポケットが破れ(入れていたスマホが重かった)、今度はジャージの尻ポケットにスマホを入れると下着の衣擦れがひどく、さすがに何かしらの対策がいるなと感じました。
 
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パナソニック 「センサリールーム」で親子のコミュニケーションを助ける

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画像出典元:URAGAWA-Knowledge https://note.com/uragawa_note/

センサリーデザイン最前線 第67回

ライターの青いロクです。パナソニックは、親子向けのセンサリールームでコミュニケーションをしやすい環境を作ることを提案し、また、事業化を目指しています。この記事では、自閉症スペクトラム児向けに日本でも設置が進む、競技場の観戦室としてのセンサリールームなどとも比較しつつ紹介したいと思います。

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イギリスの美大生、自身の経験をもとに自閉症児向け学習椅子をデザイン

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画像出典元:University for the Creative Arts https://www.uca.ac.uk/

センサリーデザイン最前線 第66回

感覚の違いによって、環境からくるストレスに苛まれやすい発達障害の当事者は、普通の人よりも多くの状況下で、集中してミスを減らすことの難しさに常に直面している人生を送っています。

そんな疲労・体調不良によって生じる学習障害をセンサリーデザインで解決する試みが広がっていますが、本日ご紹介するのは、イギリスの国立大学、クリエイティブアーツ大学の卒業生であり、自身も発達障害者であるネイサン・スパイヤーズさんによる小学生向けの学習椅子の作品です。

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ワイヤレスイヤホン型耳栓 Victor EP-S433を比較・使用レビュー

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Victor EP-S433(筆者撮影)

センサリーデザイン最前線 第65回

ライターの青いロクです。12月上旬に、JVCケンウッドより、ワイヤレスイヤホン型の耳栓「Victor EP-S433」が発売されました。(EP-S433 ニュースリリース|公式HP)2019年に紹介した同社のイヤーマフ「JVC EP-EM70」と同様に、聴覚過敏に悩む人も対象にしているそうです。この耳栓について調べたこと、購入して試してみた感想を紹介します。

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自閉症者のための抱きしめるチェア「OTO」

Fauteuil - Alexia Audrain

画像出典元:James Dyson Award https://www.jamesdysonaward.org/

センサリーデザイン最前線 第64回

編集長のmarfです。最新のセンサリーデザインの話題をお届けするコーナー、センサリーデザイン最前線。今回は、フランスのデザイナー Alexia Audrain氏が自閉症者向けにデザインしたチェア「OTO」をご紹介します。

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ドバイ万博の「クワイエットルーム」、感覚過敏な人の休憩室

センサリーデザイン最前線 第63回

ライターの青いロクです。最新のセンサリーデザインの話題をお届けするコーナー、センサリーデザイン最前線。10月から2022年3月末まで開催しているドバイ万博に設置されている、感覚に過敏な人向けの休憩室「クワイエットルーム」についての続報です。

 
以前、ドバイ万博、センサリー・アクセシブル・イベントに認定されるという記事でご紹介したとおり、10月から2022年3月末まで、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイにて、Expo 2020 Dubai(ドバイ万博)が開催されています。(参考:2020年 ドバイ国際博覧会|経済産業省
この万博は、感覚の問題による利用しづらさに配慮している「センサリー・アクセシブル・イベント」として認定を受けており、今回ピックアップする”quiet room”はその展示のうちのひとつになります。

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