「Instant Booth」を活用したカームダウンスペース、第11回かわいい感性デザイン賞企画賞を受賞

センサリーデザイン最前線 第69回

代表のユミズです。本日のセンサリーデザイン最前線は日本におけるセンサリールームの話題です。株式会社LIFULL ArchiTechの「Instant Booth」を活用したカームダウンスペースが、第11回かわいい感性デザイン賞企画賞を受賞とのニュースです。

デザインは、青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科助手/名古屋工業大学大学院工学研究科社会工学専攻博士後期課程の木村正子さんが担当されました。感覚過敏の当事者でもあるとのことで、以前TENTONTOでもご紹介したドバイ万博でのセンサリーデザイン関連の展示を実際にご覧になり、刺激を受けられたとのこと。

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「Instant Booth」は、まるいフォルムとパステルな色合いの外観、内観はウレタンのもこもこした質感で、屋内に個人ブース用途で施設に設置される想定で販売されているプロダクト。構造上、耐久性やメンテナンス性が気になるものの(内壁仕上げの改善に期待)、全体にトゲトゲした感じのしない印象のブースで、元デザインを学んでいて当事者の私からみても、落ち着く目的で利用しようという気にさせてくれるデザインになっています。受賞した作品は少し広めの4人が入れる作りになっているように見え、自閉症スペクトラム傾向のある人が落ち着くような感覚刺激が用意されており、動画で実際の使用の様子が確認できます。

当事者が感覚過敏によって生じるパニック状態を落ち着けるために利用しやすいことはもちろん、当事者が利用している状態を外から他の利用者が見かけたとき、異様に見えすぎないことが日本社会になじみやすいデザインには求められると思います。このプロダクトはこういった要件をクリアしているもののひとつだと思いますので、日本の各施設にこういったセンサリールームが設置され、見慣れた存在になっていく未来に期待です。
 
 
ユミズタキス