コラム:私も僕も俺もみんなアニマル
S = シャイン(輝き)
テントントさんの持つちょっと変わった好奇心にスポットを当てます。
Photo: 傘子
皆さんいかがお過ごしでしょうか、わ田かまりです。少し肌寒くなりましたね。秋を所々で感じています、とびきりのサツマイモを食したいです。
さて、月のほとんどは閉塞的な生活を送っているのですが、五日くらい驚く程開放的になれる日というのが変則的に存在しまして(あるいは意図的に開放的にする)、今月はその一日に動物園を当てました。特別、動物を見るのが好きという訳ではなかったのですが、以前から人間以外の動物を少し知っておきたいという欲があり、機会を設けて行くことにしました。
10年ぶりに行った動物園は、自分も動物という、忘れかけていた事実を思い出さざるを得ないような空間でした。あまり人間には興味をもてない私が、大きさも形状もつくりもなにもかも違う他の動物たちには興味を持つことができました。アリクイやインコ、鷲など、図鑑やメディアなどでしか見れない動物たちが目の前にいて、呆然としてしまいました。
たくさんの動物たちが溢れる中で、フラミンゴは私の中で圧倒的なヒーローでした。奇妙なピンクを掲げた魅惑的な胴体を、細すぎる足のような棒(もはやあれは棒です)で支えて、彼らは存在していました。不安定に見えて非常に安定を帯びている動物だと思い、安定した胴体を持ち合わせているのにどこか不安定な私達人間と真逆に位置する、フラミンゴたち。とても羨ましく思えました。
その他にも、ふくろうのすべて見透かすような目、象のこの世の全てを悟っているような空気感、全てに無駄のないハシビロコウ、そしてゴリラのお尻からはなにか懐の深さのような深みが感じられました。どの動物からもどこか奥底に野生的な狂気があるのは感じられたのですが、さすがは動物園、人間の愛が組み込まれており外面に出る事はよっぽどのことがない限りないのだなと思いました。
動物が動物園に行くというのはなんとも不思議な状況下ですが、動物園を後にしたあともまだ動物園から出た感じがしなかったのは自分自身、動物だという自覚を取り戻すことが出来たからだと思います。
みなさんも機会がありましたら、忘れかけた自分の動物めいた部分を拾いに、是非是非足を運んでみて下さい。
わ田かまり