自閉症者向けの”リラックス開館時間”でプログラミングを学ぼう

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画像出典元:MK CITIZEN http://napavalleyregister.com/eagle/

センサリーデザイン最前線 第44回

こんにちは、TENTONTOメンバーのボル箱です。ここ最近暑いですね。私は引っ越してから初めて近所の市民プールに行ってみました。お水が気持ちよくてセンサリーでしたね。波がひんやりと腕に当たる感じとか、ぷかぷか浮く感じが好きなんですよね。でも途中意識が朦朧としてスポドリをぐびりと飲んで休みました。皆様熱中症にはくれぐれもお気を付けください。

さて、今回はイギリスの博物館での自閉症スペクトラム(以下ASD)の人のためのリラックス開館時間を設ける試みをご紹介します。ニュースメディアMK CITIZENより和訳してお届けします。

http://www.miltonkeynes.co.uk/news/tnmoc-wins-prize-to-develop-relaxed-openings-for-people-with-autism-in-milton-keynes-1-8071503

 

イギリス、ミルトン・キーンズの国立コンピューター博物館が自閉症者のためのリラックス開館時間を設けて表彰される

2017/7/25

自閉症者とその家族のためにブレッチリ―・パークの国立コンピューター博物館が実施した新たな試み、リラックス開館時間が博物館・遺産賞を受賞した。
賞金は博物館をより自閉症の人に居心地のいい空間にするために使われる。特に、特性の濃い自閉症スペクトラムの人のための、屋根付きの休憩室を設けること等のためだ。

今年の二月に実施されたリラックス開館時間は大人気になり、博物館の研究部のリーダー、クレア・マーストン氏は今後も定期的に実施することを決めた。

クレア氏は語る。「この博物館がASDの人々に素晴らしい経験を与えてくれることを我々は実感しました。しかし、時代物のコンピューターの駆動音や点滅する光が、ASDの人を不快にさせて感覚に負担をかけ過ぎる可能性があります。それで、通常の開館時間の前にリラックス開館時間を設けたのです。反響は素晴らしいものでした。」

リラックス開館時間中に来場すると、博物館の騒々しさが減っていて、スタッフの人がいつでもASDの人を助けられるように気をつけているのがわかるだろう。
予めセンサリー・マップを入手できるので、博物館のどこで普段聞かないどんな珍しい音や光景が待っているのかを正確に知ることができる。

来場者は追加料金なしで博物館を探検し、お手軽なアクティビティに参加し、拡張現実と家族で巡るツアーを楽しみ、プログラミングについて学び、休憩室で寛ぐことができる。

次のリラックス開館時間は2017年7月28日、8月25日の午前10時半から正午までだ。

 
 
NHKスペシャルの「発達障害 解明される未知の世界」でも、ショッピングモールでのクワイエット・アワーが取り上げられていましたね。これもイギリスでの取り組みでした。この博物館での取り組みも、これに連なるものだろうなと思います。この場合、予め入手できるセンサリー・マップが目を引きますね。唐突に予期しないものが出てくると驚いてしまう特性に配慮したものでしょう。施設の特徴に合わせて微妙にバリアフリーの工夫を変えていくのも見ていて面白いポイントです。
 
 
参考:NスペPlus 発達障害 解明される未知の世界

そうした中、発達障害の人がより生活しやすい環境になるための取り組みが国内外で始まっている。イギリスでは、あるショッピングモールで毎週土曜日「クワイエット・アワー」と呼ばれる時間帯が設けられ、店内の照明や音楽を消して、感覚過敏の人でも過ごしやすい環境をつくっている。この結果、買い物客が約1割増加し、経済的にも効果があることが分かった。

 
ボル箱