ADD当事者が覗いてみた「にじさんじ」Minecraft配信

総勢80名以上の「バーチャルライバー」が所属するにじさんじは、2018年2月の活動開始以来、雑談や歌、ゲーム実況など様々なコンテンツを日々YouTubeで配信している。人気企画の一つにMinecraftの実況プレイがあり、共用の「にじさんじサーバー」で複数人が同時にマイクラプレイを楽しむ様子が高頻度でライブ配信されている。

私は一時期、マイクラにかなりハマっていた。最近はプレイすることは少ないが、YouTuberによるマイクラ実況動画はよく観る。また、いわゆるバーチャルYouTuberについて、実のところ私はそこまで熱中している訳ではないのだが、流行りものがあれこれ気になるたちで気が向くと動画や配信を観ている。そんな折に、こんなweb記事を見つけた。

【にじさんじマイクラ】多くの名シーンを生んだ“3大建築物”レビュー – MoguLive https://www.moguravr.com/nijisanji-minecraft-3-major-buildings/

マイクラの世界で日々繰り広げられるおかしな、それでいてどこか切実さの伴うドラマを詳しく知ることができる内容で、とても興味深かった。友達のような近しい関係で、ちょっとした滑稽な出来事を「事件」と仰々しく呼び、実情とのギャップを笑って楽しむという会話のノリが時にあると思うのだが、それに近い面白味をこの記事を読んで感じた。

人間関係の中で生まれる「事件」から面白さだけを抽出する、そんな楽しみ方を許してくれる点にVTuberというコンテンツの人気の一つの理由があると考えているのだが、マイクラというゲームは、例えば溶岩遊泳に代表されるように「危ないこと」を(ある程度)安心して楽しめる、という特徴でもってこれを助長しているのだと思う。

かくいう私は、現実世界でそうした「事件」の主役になることがしばしばだ。一例としては、数年前に地元の電車でばったりと高校時代の知人を見掛けたのだが、人見知りして声を掛けられず、後でSNSでその知人のアカウントを探し出して時刻とツイート内容からその知人だと同定した、という出来事があった。父親にこのことを話したら「それは事件だ」と大笑いされた。

うっかりミスやコミュニケーションの不得手などから、「事件」の主役として笑い話にされることもままあり、コミュニケーションは得意ではないが、人と通じ合う楽しさには大いに興味がある。そんなままならない願望を秘めるADD当事者の自分にとって、にじさんじの個性的なライバーによるマイクラ実況は、一つの理想郷のように目に映った。

Yutani