ADHDと在宅ワーク―快適に働く方法

職場環境を家庭に再現すること

画像出典元:CNN Health News https://edition.cnn.com/health/

 
皆さんこんにちは、ライターのmarfです。非常事態宣言から今日に至るまで、わたしの職場では従業員が自宅で仕事をするようになりました。

本日の更新ではCNN Health News、ADHD(注意欠陥多動性障害)をもつ当事者向けの在宅ワークをよりよくするアドバイス記事の翻訳と共に、自分の在宅ワークの体験と重ねつつ、読んで感じたことを書いてみたいと思います。

If you have ADHD, here’s how to manage working from home(ADHDをお持ちの方、在宅ワークの管理方法はこちらです)
文:クリステン・ロジャース(CNN)
イラスト:リア・アブカヤン(CNN)
2020年5月29日
より、部分引用して翻訳

 

職場環境を家庭に再現すること

 
生産的で機能的な仕事をするためには何が必要かを考えて、その環境を自宅でどのようにシミュレートできるかを考えてみてください、と、ノルドマイヤー氏(※訳注:あらゆる年齢層を対象としたADHDのコーチンググループ「Center for Living Well with ADHD-Minnesota」の共同創設者)。

寝室やテレビの前などのリラックスした場所での作業は避けること、とシブリー教授(訳注:ワシントン大学教授)。あなたにとってベストの仕事ができるような状況にしましょう。おそらくそれは、周囲にあるものに気を取られることができないような、静かな部屋や、ブラインドが閉じている一室で作業することです。

仕事場と同じように、家の中を清潔で生産的な状態に保つため、家事を分担することについて家族に相談してみましょう。混乱はあなたのエネルギーを消耗し、あなたが集中する必要があるものから、あなたの注意を引き離してしまう可能性があります。

 
普通に暮らしてきた家の中に、生活感のない場所をつくるのは結構な労力がかかります。物を片付けたり、掃除しなければならないからです。

でも一度整えてしまえば、自分のための集中スペースが確保できました。それまで自分にとって、家の機能は休むために特化していましたが、今回のことで働く機能も獲得しました。
 
 

前日の夜に一日の仕事計画を立てること

前日の夜に一日の仕事計画を立てること

 
ノルドマイヤー氏は、仕事でのパフォーマンスと行動を管理することに成功するため、前の晩に一日の計画を立てることを提案した。

計画を立てる際には、あなたの最優先事項をメモしておきましょう。いつ、何に焦点を当てる必要があるのか?それらの優先順位はどのようにあなたの一日の流れをマップしているのか?

ドーパミンは朝から夕方にかけて減少するので、一日の早い段階では、不快で複雑なタスクに集中し、一日の終わりに向けて簡単で楽しい仕事に集中するように、一日を分割します。

 
わたしは仕事のことを休日に考えるのは難しいので、終業したときに、翌日のおおまかな段取りをメモしています。優先順位は翌日の始業時に変わっていることもあるので、なるべく余裕を持つようにしています。
 
 

朝の日課を守ること

朝の日課を守ること

 
あなたが午前9時始業に十分に早く出勤しているかもしれないのと同じく、自宅でも同じ朝のルーチンを維持してください、と、ノルドマイヤー氏。

いつもと同じ時間に起きて、その日のためにログオンする前に服を着ましょう。「そうして、あなたはプロワーカーのペルソナに踏み込んでいる状態になれます。」

 
わたしの場合、通勤時間がとても長かったので、電車に乗る必要がなくなって本当に楽になりました。

いま、通勤していたときと同じ時間に起きることはしませんが、すこし長く眠って、家事を済ませることができています。そして、仕事のための部屋着(ややシャキッとしている)に着替えてからPCの電源を入れます。
 
 

同僚と一緒に働くこと

同僚と一緒に働くこと

 
タスクをこなすことや課題をこなすことは難しいことです。あなたと一緒に、仮想的に説明責任とフォーカスを支援するため、あなたと一緒に働く同僚を求めましょう、とノルドマイヤー氏。または、ADHDのコワーキング ラボをオンラインで探しましょう。

継続的にビデオを配信したり、一日の作業量を議論するため朝の会を手配し、それがどのように起こっているかを断続的にチェックしたりします。
 
 

タスクを維持するための追加のヒント

ADHD者にとって難しくない方法での優先順位付けの指導をしてもらえるマネージャーを求めましょう、とノルドマイヤー氏。

または、スケジュール決定を頼むのもよいでしょう。 週の初めにチェックして、今後数日間で何が最も重要なのかを確認し、計画を立てることができます。

あなたの上司にあなたのデッドラインを伝えることで説明責任を強化し、自分自身を緊急モードにすることができます。重要度に応じて、それらの課題を提供します。

あなたの人を喜ばせる性質を利用して、モチベーションを高め、仕事をし、誰かを失望させないようにしましょう。挑戦することへの愛を利用して、集中力を高めて仕事をしましょう。

 
わたしの職場ではMicrosoftのteamsというアプリで仕事上のやりとりをしています。メインはチャットで、始業時と終業時にはタイムカード代わりの投稿します。その他、文面だけでは難しいやりとりをしたいときには、通話したり、Zoomでミーティングをしています。

自分の担当する仕事のスケジュールは関係者によく確認するようにしています。また、同じチームの人達とは週に一度、それぞれの仕事状況を確認し合うMTGを設定して、許容量を超えそうな場合は、余裕がある人に割り振りを変えてもらったりしています。

個人的には、進捗報告の頻度を上げて自分のコンディションをアピールするようにしました。オフィスで顔を合わせることができない状況ですが、多少やりとりをスムーズにする効果があると感じています。
 
 

無計画な気晴らしのための時間を確保すること

無計画な気晴らしのための時間を確保すること

 
瞬間の気晴らしで脱線しないよう、「ポップアップ」に適切に対処できる時間を、午前と午後に1時間ずつ計画しましょう。

「ポップアップ」には、予定外の、予期せぬ、緊急でない通知、他の人からの要求、あなた自身の好奇心旺盛な思考が含まれます。それらが発生したとき、それらをリストに入れ、後でのためにそれらを保存します。
 
 

気晴らしを管理するためのその他のポイント

不必要な通知をオフにして、気が散る機会自体を無くしましょう、とシブリー教授。

25分間は電子メール通知をブロック、その後の5分間であなたの受信トレイをチェック。ポモドーロ・メソッドとして知られているシステムです。

あなたの携帯電話の画面の側面を下に向ける。機内モードまたは通知の音をオフにする。一日の終わりまでデバイスからアプリを削除したり、ログアウトしたりしてソーシャルメディアにアクセスしにくくする。

25分間の課題を書き出したふせんを使い、パソコンの画面に貼り付ける。あなたが仕事をするたびにそれを見ることになり、それはあなたが何に取り組んでいることになっていることへ、あなたの注意を「リダイレクト」するのを助けます。

子供との会話の時間を大切にしましょう。ランチタイムを子どもの時間に合わせてみましょう。子どもたちは1対1の時間をありがたがっているかもしれませんが、中断したり気が散ったりするタイミングを、そのランチタイムという特定の時間に制限することができます。

 
わたしは自分専用のメモ(自分しかメンバーのいないslackをつくりました)に仕事の進捗を記録しています。始業から何時まで何の作業をしたのか、やり残しは何か、休憩を何時から何時までとったのか、などです。この画面は常に開いておいて、視界に入るようにしています。

タイマーは使用していませんが、なんとなく作業の切れ目や集中力が切れたタイミングでメールチェックやteamsの未読スレッドを読んだりします。緊急のメッセージは通知が来るように設定してあるので今のところ対応できています。
 
 

セルフケアの時間を取ること

セルフケアの時間を取ること

 
身体活動のための時間を別に設定しておくと、あなたの心をリセットすることができます、とシブリー博士。

このアドバイスは、ADHDの一意性と重症度に応じて、各人において異なるよう機能させます。機能が何も働いていない場合は、大人は医師、精神科医、日常生活と可能な治療計画を管理指導するADHDコーチに頼る必要があります。
 
 
誰もがこれらの困難な時期によって影響を受けていることを覚えておきましょう、とノルドマイヤー氏。自分が何をしているのかを認識し、必要な事柄を成すための改善には何が必要なのか考え、自分自身を思いやり、理解することです。

「私たちは、何が正しいか、ということに注意を払い始めれば上向きになるため、その(下向き)スパイラルを変更することができます。それがADHDとあなたの人生を前進させる方法です。」

 
運動については、意識的にストレッチをする程度です。1、2時間に一度は席を立って腕や肩、腰を回したり伸ばしたりしています。

終業後は、気分を切り替えるために着替えるか、シャワーを浴びるかしています。通勤が必要ないのは楽ですが、「家に帰ってきた」実感を得る工夫が必要だと思いました。
 
 
コロナウィルスがもたらしたさまざまな困難は、わたし(ASC気味)には働きやすい環境とは何かを考え直す機会となりました。今後も油断できない状態が続きますが、自分と周囲の人たちにとっての最適解は何か、模索していくだろうと思います。
 
 
marf