センサリーデザインの世界

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センサリーデザインとは? 第1回

ASD & ADHD MAGAZINE TENTONTO 代表のユミズ タキスです。

今回から、私達TENTONTOが皆さまに一番お伝えしたいこと、センサリーデザインについて、僭越ながらご紹介させて頂きます。第1回は、フリー百科事典Wikipediaから、センサリーデザインの項目を紐解いてみます。

http://en.wikipedia.org/wiki/Sensory_design

私なりに和訳してみましたので、もし宜しければ原文と合わせてこちらもお読み下さい。

センサリーデザインは、ある製品を感覚・認知の観点で診断を行い、それを元に新たに設計する、もしくは再設計する適切な方法を示します。製品を使用した人それぞれの感覚を測るために、その製品やものが使われる様々なシチュエーションの観察についても、センサリーデザインと言うことがあります。

感覚についての評価は可能な限り定量化します。食品業界で開発された技術(官能検査)が、製品やものと向き合うときのそれぞれの人の認識について良い手がかりになります。研究所での研究とは対照的に、類似した製品を実際に比較するテスターの意見によって、製品への評価を行います。研究者によって充分に正確な、定量化されているテスト項目のリストを用います。テスト項目には、このような観点から選ばれた素材・もののサンプルを使用します。

・手触り、表面の仕上げ、色、付属品、レイアウト
・製品を取り扱う際に発生する音、動き
・嗅覚
・温度、熱拡散
・光度

交通の分野では、旅行の体験をよりよいものにするために、官能検査が車両内部、情報システム、駅環境の設計に利用されています。

人の感覚のためにデザインする

センサリーデザインとは人の用いる製品に対しての設計思想の一つ、という切り口で、この記事は記述されています。この記事を読んで、私はチャールズ・チャップリンの映画『モダン・タイムス』を思い浮かべました。産業革命後、人の感覚に考慮されていない未熟な機械、働き方が生まれ、それらに人の感覚が狂わされていく。そんな当時の社会問題に警鐘を鳴らしてもいる名作です。

デザインという学問領域の歴史は、産業革命、機械化の歴史と共にあります。機械が発展し、情報機器という形で機械が生活に溶け込むようになった現在は、製品に求められる要件もどんどん変化してきています。そのような状況の中で、人と機械を含めた環境とがリンクする場である感覚からデザインすること、センサリーデザインが担う役割は今後大きくなってくると、私達は考えています。

次回以降も、このような形で記事を取り上げ、センサリーデザインについてお伝えしていきます。