発達障害者雇用問題の番組がBBC Twoで登場
画像出典元:The Telegraph 様 http://www.telegraph.co.uk
センサリーデザイン最前線 第13回
みなさんこんにちは、TENTONTO編集長のユミズタキスです。
本日は今年6月に制作が発表された、イギリス・BBC Twoでの新番組をご紹介。その名も”Employ Me(私を雇って)”。本誌でも度々ご紹介している自閉症スペクトラム研究の権威で『自閉症スペクトラム入門』の著者、サイモン・バロン=コーエンがアドバイザーとして参加しています。
イギリス・The Telegraphのサイトに、”Employ Me”に関する情報が掲載されておりましたので、本日はこちらの内容を翻訳してお届けします。
http://www.telegraph.co.uk/news/bbc/11693627/BBC-job-search-for-autism-and-Tourettes-sufferers.html
BBCジョブリサーチ:自閉症とトゥレット症候群の人たちへ
BBCのシリーズ”Employ Me”、働きたいのに雇用主が見つからない神経疾患の人々が直面する困難を特集
アニタ・シン 芸能記者
2015年6月23日BBCは神経障害の人々―自閉症、トゥレット症候群、ADHD、ダウン症―が仕事を見つける試みを取り上げる”斬新な”番組を制作する。
シリーズ名を”Employ Me”と題して、”科学による革命的な新発見のアイデア:上記の神経疾患は必ずしもネガティブな側面ばかりが見られるわけではない”ことを探っていく。数年に及ぶ就職活動をしている”資格・能力のある”個人たちをフィーチャーしていく。
‘神経の多様性’スペクトラムにある人々は同様の疾患の無い人に比べて職場で多大な貢献ができるかもしれない、と、同番組では主張していく。
現在では、自閉症者の雇用率は15%のみに留まる。仕事に必要な技能・資格・洞察力を持っていても、雇用主が充分な待遇を用意したがらないために、仕事を見つけるのに大変な努力がいる。
ケンブリッジ大学自閉症研究センター所長のサイモン・バロン=コーエン博士は、BBC Twoの番組のアドバイザーである。
彼によると:
「’神経の多様性’という概念は’普通’であれという単一的な方法だけではないことを我々に思い出させてくれる。アスペルガー症候群のケースにおいて、それは顕著だ。彼らは診断を受けていても、障害とともに能力、そして強ささえも持ちうる。雇用主はそのような神経疾患のある人々が、他の社員と同様にその雇用がもたらす利益を享受できるよう、適切な調整を行う必要がある。加えてそのような人たちが職場で貢献できるように仕事をしやすくする方法に注目すれば、さらには診断を受けた人たちが他の雇用者よりもどのように優れているかを見出せるだろう。
診断を受けた人たちのために―適切なサポートを伴う―雇用が、計り知れないほど彼らの生活を良い方向へ変える強力な方法であり、失業による鬱病などの精神の健康における悪影響を予防するかもしれない。」
3部構成のこのシリーズは”感動・思いやり・ユーモアが詰め込まれた”ものになるだろう、とBBC。
BBC Twoの責任者、キム・シリングローは:
「このパワフルで思考を刺激する新シリーズをBBC Twoでお送りできることを大変嬉しく思っている。最新の科学的思考に実証された、真の洞察、および全ての人が神経疾患の範囲にある人々のことを考えるという挑戦を、このシリーズが提供することを期待している。」
ザ・テレグラフ
私が調べた限りでは、6月の案内以降放映日などの新情報は出ていないようですが、番組公式のTwitterとFacebookが存在しているようです。挑戦的な試みなだけに実現が難しいのかもしれませんが、大変興味深い内容になること間違いなしです。いつか視聴できる日が来るといいですね。
[…] リッジ大学発達精神病理学教授でケンブリッジ大学自閉症研究センター所長のサイモン・バロン=コーエン博士は、自閉症スペクトラムの研究に長く携わってきた今日における自閉症研究 […]