コラム:私と私でない人間

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友人からの手紙が数枚出てきたので読み返した

ある手紙には

「合わないとわかっていながら過ごす

貴女との時間はとても奇妙で嫌いにはなれない」

と書いてあった。

 

ある手紙には

「貴女と一緒にいるのは窮屈だけれども私にはその窮屈さが大切で

心地が良いものなんだ。

私と貴女の違いにはうなだれてしまったり羨ましかったり

素敵な感情も人間味を帯びた感情もあるけれど

全てひっくるめて会えてよかったのではないかなって

お誕生日おめでとう」

と書いてあった。

 

そんな手紙の差出人とは出会って6年目に差し掛かった。

彼女とは連絡が2年くらいとぎれた時があったが

今も頻繁ではないけれども

たまに昔のような時間を求めて

会う時間を設けている。

部活動で知り合った彼女は私の学生時代の少ない友人だ。

彼女は私とは違い友好的で社交性があり

驚くほど誰とでも仲良くなれるような陽の気を帯びた人だ。

そんな彼女が私の18回目の誕生日にくれた手紙だ。

手紙をもらうのは何歳になってもうれしいものだ。

 

人間との繋がりは脆いものだが

脆さによって繋がりが保たれるという

なんとも情緒的なサイクルが構築されている。

私はあまり多くの人とは関われない性分だけれども

人間である限り、他者との関わりをやめることは

してはならないと感じたしどこかでしたくないという意志も

わずかだが感じることができた。

 

わ田かまり