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テントント通信㊾

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marf 作

躍起になれなくても、それはそれで困る

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CHILLれぬ日々を過ごす 第6回

みなさんこんにちは、TENTONTO編集長のタキスです。”発達障害当事者の日常”をテーマに、リラックス出来ないアスペルガー&ADHDのココロを描くこのコーナー。今日はみなさんに「躍起になれなくてもチルれない」というテーマで、私の持つ発達障害(ASD+ADHD)と「気分障害(Mood Disorder)」について、少しお話をしたいと思います。

なにかに一心不乱に取り組めるとき。それはASC(自閉症スペクトラム症状)由来の自閉的感覚のひとつ「過集中」が満たされる、当事者にとって至福の時間です。隅々まで目を凝らして、ああでもない、こうでもないと考えて、手を動かす。ADHD(注意欠陥多動性障害)も併せ持っているためひょんな思いつきも実行したくなり、うっかりミスも多いので、心の中はアクション映画のような激しさです。勉強でも遊びでも、スポーツでも創作活動でも、これはオモシロイ!と思ったものには「情熱的」に取り組んできました。

一方、ああでもないこうでもないと感情を振り乱してドタバタと取り組む姿は、一般的にはけして「格好いい」ものではありません。ズバリうっとうしいからです。それでも、私は「格好をつけてモテる(?)こと」よりも「目の前のことに集中しきること」の喜びを優先してきました。「格好をつけてモテ」たとて、そのあとに待っているのはさらに「格好をつけ続ける」未来しか見えなかったので(しかも、うっかりモテない振る舞いをするミスはできないし、信頼を蓄積する必要があるので飽きても途中でやめられない)、そのモテ欲は恐ろしいこととも思っていました。

気分障害とは、不安、落ち込み、苛立ちなど、人の気分による振る舞いが障害=日常生活の中で問題になりやすい状態のことを指します。ASDやADHDなどの発達障害(生まれつきの脳の違い由来の状態)と違って、気分障害は二次障害、つまり何らかの要因で二次的に引き起こされている状態とされています。ここでは発達障害由来の振る舞いと、社会的な要請がぶつかったときに生じてしまう火花のようなもの、と捉えていただきたく思います。

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