ネタバレなしで映画を見るのが辛い

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ASD(自閉症スペクトラム障害)の青いロクです。

感覚の違いを説明するための手がかりとして、「シンプル・シモン」という、アスペルガー症候群の若者が主人公のスウェーデンの映画を紹介されたので、これを鑑賞しました。映画の概要については「シンプル・シモン」DVD特設サイトおよび、下記の関連記事を参照してください。

主人公シモンは、予定外のことがあるとイライラし始め、ついにパニック状態になってしまいます。この暴発を防ぐために、生活の予定をきっちり決めて、円形のスケジュール掲示板に自分と同居人たちの行動をあらかじめ書いて、曜日ごとに車輪のように回転させていきます。

この掲示板が彼の頭の中を表しています。裏返しても、画びょうやフセンを貼れるようになっていて、なにか行動を起こす前に、あらかじめ考えを整理します。シモンの周囲で、不器用ながらも社会に適応している人たちも、車輪のような図形を持っています。

今回、私が説明したい感覚の違いは、自分が ネタバレを先に知らずに、映画を見るのが辛い ということです。第一には、主人公と同様に、多くの情報を見聞きし、想定しないことがあったり、失敗する様子を見ると、全身の神経と筋肉が震えて、体力を大きく消耗するからです。第二には、私は娯楽というより学びに必要なものとして見たからです。

車輪の再発明という慣用句があります。過去の人が大変な苦労をして、役に立つものを生み出したのに、その存在を知らず、また使い方を知らずに、再度余計な苦労をして、似たようなものを作り出すことを例えています。

私は映画に、適応の手がかりがあるのだとしたら、その結論を事前に知り、信じられるものか本編で検証していきたかった。世間一般でどう言われているかを手掛かりにして、少しでも自分なりの正解に近づきたかったため、0から再発明をしている余裕が少なかったのだと思います。

ともあれ、何度も繰り返し、一時停止しながらノートにまとめて見直していくと、自分の必死さと、手あたり次第に女の子にアンケートをとる主人公が少し重なって見える客観性を持てました。そこが自分なりの学びかと思います。

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