コラム:ASDな自分が苦手なパターンの会話と、その逆について2

前回のコラムで、私が”ノリや空気で進められる会話”が苦手ということ、それとは逆に快適な会話のパターンが二種類あるということを書かせていただいた。前回はそのうちの一パターンについても話したので、今回はもうひとつの会話パターンについて書いてみたいと思う。

息抜きしつつ人と話すのにちょうどいい、もうひとつの会話パターン。それはテンポのいい(ギャグ的な)ノリを、会話の中でトコトン楽しもう、というモノだ。

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それは前回に紹介した議論ちっくな会話とは異なり、会話のやりとりそのものに面白みを見出すような会話である。それは目的だけでいえば、私の苦手なノリや流れで進められる会話に近い。しかし、手順を無視してはいけないところに違いがある。テレビのバラエティ番組を例に挙げて、説明してみる。

テレビのバラエティ番組ではスタジオが凍るような、いわゆるスベった空気をとかく避けようとする。そのため司会者と出演者は、お約束といってもいい、型にハマった会話をする。司会者は、出演者の芸風からその引き出しをうまく引き出すように話を振り、出演者は持ちうる限りのスキルで答える。プロレスや組手のような、いわば茶番じみたシステムによって、笑いが生み出されている。

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手順がわかりやすい『システム』なら、学習によって自分のものにできるかも知れない。そう思ってバラエティでの会話を真似をするように心がけるようになった。それを続けた結果、仲間内での会話の中で何かしらの愉しみを共有できてきた気がする。実際は、失敗(スベること)も多いけれど。

多くの人がほとんど無意識に使いこなし、作り上げているのだろう会話の世界。それに対して、自分なりのやり方で向き合ってみている。
 
 
TEHO