マインクラフト×TENTONTOをフィールドワークする③ ―4人のマルチプレイについて伺うー

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こんにちは。TENTONTOメンバーのツダです。今回は、TENTONTO編集長ユミズタキスとメンバーmarf、そしてご友人おふたりの計4名による、半年間のサーバープレイについて伺ったお話について、ご紹介したいと思います。実際のプレイの内容についてはTENTONTOwebの記事でも以前に紹介されていますので、そちらもご覧ください。→ ASD&ADHD的マインクラフト実況!①

このインタビューに関しては今後の個人研究でより詳細に取り組んでいきたいと思っている内容でして、今回は印象に残っていることをいくつか述べてみる形で記事にしてみたいと思います。今回のお話は、パソコンの音声通話で4名に集まっていただき、プレイ時にいろいろな場面で撮影されたスクリーンショットを見せてもらいながら伺った内容になります。

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もっとも素朴に心に残っているのは、スクリーンショットというイメージを通して、まるで映画を見るように彼らのプレイの記録に触れることができたことです。半年間の開拓、あるいは旅の、詩的なドキュメンタリーを観たような素晴らしい時間でした。マインクラフトのゲーム性とゲーム中の場面をスクリーンショットすることとは、非常に相性がいいなと感じます。静けさ、自分一人の空間、じっとその場に止まっている感じ。そうした雰囲気が、スクリーンショットを通してしみじみ伝わってきます。

例えば他のゲームならば、技巧や動作を表現するために、際立った一連のシーンを動画に撮ることが行われていると思います。スクリーンショットそれ自体が魅力的に見えることはきっと多くないでしょう。しかしマインクラフトの場合、動画よりもスクリーンショットの方が、なにか、いい。なぜでしょうか。

もちろんYouTubeには、マインクラフトの動画もたくさんアップされています。例えばお城や効率化装置の作り方を解説したり、ドラマのようにセリフを加えて演じたり、あるいはエンダードラゴンを倒すまでの最速クリアを目指したりする、といったような。これらは一言で言えば、何をするかどうやってするか、の映像と言えます。

しかし、これら定番テーマ以外にも、タイムラプス映像のようなものも結構上がっています。こちらの動画はこのタイプのものですが、定点カメラ的に、光と天気の移り変わりを早回しで撮影した映像です。この半スクリーンショット・半動画のような映像がアリなのも、マインクラフトがある一連の行為の熟達だけでなく、時間そのものを味わう余地のあるゲームだからでしょうか。マインクラフトがひらく「時間」の感覚は、大きなキーワードだと感じます。

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また、別の答えとして、地形の美しさも挙げられるでしょう。地平線に沈む夕日を見ると写真を撮りたくなる、みたいなことが、マインクラフトでも頻繁に起こります。

編集長のユミズはこうした地形(や敵)との出会いについて、「もう、ゲームシステムじゃなくて、アルゴリズムの問題になってくる。アルゴリズムがおいしい。味わい深い。」と述べていました。つまり、設計者が書き込んだ工夫や描いたグラフィックによって直接与えられる楽しみとは別の次元で、ゲームプログラムの数式そのもののもつ傾向やばらつきが、まず楽しめる、と。

だからこそ、例えば見通しのきかないジャングルの中で不意にマグマの滝に出会ったり、山間に平らな盆地を見つけたりしたときに、小さな偶然としてその光景が自分自身の体験として結びついて、貴重なものに思えてくるのでしょう。

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インタビューは数年前に毎日のように行われていた半年間のプレイについて、自由に思い出を語っていただくような形で伺いました。全体を通して「時間」に関わる言葉だったり、心に残っている理由だったりが随所に登場しました。

本当にいい思い出だなあと惚れ惚れするような、羨ましい気持ちでいっぱいになるサーバープレイ。自分もいつか誰かとやってみようと思っています。
 
 
さて、次回なにを書くかは未定ですが、こうした事例を分析しながら考えていきたいと思います。更新した際は、ご一読くださればとても嬉しいです。
 
 
ツダ