デザイントレンドとしてのセンサリー
センサリーデザイン最前線 第11回
ASD & ADHD MAGAZINE TENTONTO 代表のユミズ タキスです。
このコーナーでは、大学でデザインを学んだ私が見つけた、最新のセンサリーデザインをご紹介します。第11回は今年1月にドイツ・フランクフルトで行われたテキスタイルの国際見本市、ハイムテキスタイル2015のトレンドブース”センサリー”をご紹介します。ハイムテキスタイル2015についての概略はオンラインインテリアビジネスニュースに紹介記事がありましたので、こちらをご参照下さい。
ハイムテキスタイル2015はトレンドエリアのメインテーマを”エクスペリエンス(経験)”として、”センサリー(感覚)””ミクソロジー(混合技術)””ディスカバリー(発見)””メモリー(記憶)”の4つのカテゴリーで、これからのテキスタイルデザインを表現しています。世界のテキスタイルデザイナーが考える最新のセンサリーデザインとはどのようなものでしょうか。Design Confidentialに掲載された記事”Experience: Heimtextil 2015 Trend Park”からブースの様子を抜粋してご紹介します。
http://www.design-confidential.com/experience-heimtextil-2015-trend-park/
私なりに和訳してみましたので、よろしければこちらをご覧ください。
センサリー:幸福の要素
デザイナーは家庭用に新製品を制作しています。それらは私達を触覚や感覚の衝動を育みたい気持ちにさせます。彼らは科学を通して解決法を見つけ、私達の幸福感を増させるテキスタイルをデザインする気にさせられています。彼らはレスポンシブテクノロジーを用いて、例えば光源の変化に反応するなどのインテリジェントテキスタイルを使用します。インスピレーションは美容と健康の産業からもやってきます。スーパーセンサリーファブリックは光、女性らしさ、透明といった、私達の感覚器を刺激する膨大な種類の触覚効果を使用します。感覚の対比として、磨かれた質感やニスのような光沢や均一性が、このテーマをさらに詳しく説明するために紙の質感やオイルフィニッシュと共に用いられます。
センサリーデザインが変えていく世界
今回ご紹介したデザインは、生まれつき感覚のずれのあるテントントさん(特にASDを持つ方に多い)へ向けたデザインではありません。ですが、感覚に注目して幸福感を増すデザインを目指すというハイムテキスタイル2015で示されたトレンドは、センサリーデザインが技術の進歩と時代の要請に合致しているということでしょう。センサリーデザインが発展することで、感覚のずれから生じる問題に悩むテントントさんへの優れたデザインが次々と生まれやすくなると考えられます。今後の動向が楽しみです。
冒頭にご紹介したプロモーション映像では、センサリーを紹介するためにパフォーマンスを駆使して捉えづらい感覚というものを具現化して表現しています。感覚について思索を深める印象深いものとなっています。