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オーディオインターフェイスはセンサリー。『KOMPLETE AUDIO 2』使ってみた

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画像出典元:Native Instruments https://www.native-instruments.com/jp/

ちょっとした刺激を拾いすぎるから、できるだけ蓄積していくトゲトゲしたストレスを少なくしたい。

耳から入ってくる音の質を良くしたくて、手頃に手に入るオーディオインターフェイスでシンプルなモデルを買ってみた。ドイツの企業、Native Instruments社のKOMPLETE AUDIO 2を通してPCで再生する音楽は、音量が大きくても不快ではなかった。むしろ様々な種類の音が耳に触れていくのがはっきりとわかって刺激そのものを楽しめた。てっきり自分は大きな音が苦手なのだと思っていたけど、これならライブの映像もどんどん観たい。

しかめ面でいる自分をほどいていくと、知らない世界にたどり着けるのかもしれない。

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Szynkierの新作脱構築音楽アルバム『Teghnojoyg』でセンサリーを聴こう

Babe, Terror

感覚の鋭敏さが伴わないことには、感覚の違いについて思いを巡らせてデザインする「センサリーデザイン」は形になりません。発達障害者が不快に感じる感覚刺激を排した上で、魅力的な感覚刺激に「夢中になれる」からこそ、ストレスを感じにくくなり安らぎとなるのがセンサリールームはじめ、センサリーデザインの本質だと思います。

今月はサンパウロのエレクトロニックプロデューサー、Claudio Katz Szynkierが「Babe, Terror」名義で発行した新作アルバム『Teghnojoyg』の脱構築的な音楽をTentonto読者に聴いてもらい、より安心の得られるデザインを是とする声を高めるため、当事者・関係者自身に感覚の語彙を増やしてもらいたい、という試みでの記事紹介です。ぜひアルバムを聴いて、2023年のブラジル世界を生きる芸術家の抱く諸々の感覚について思いを馳せてみてください。

Babe, Terror – Teghnojoyg (YouTube)

思いを馳せる力こそが、センサリーデザインを実現する力。

ユミズ タキス

センサリーを聴く:Clark – Dolgoch Tape

Clark

発達障害という精神の障害。趣味嗜好の偏りや強迫性、感覚の過敏がみられることも多い当事者の思考回路に、もし非当事者がダイブできるのなら。その特異な精神世界を伝えるような芸術表現を探すコーナー

夜を走る鉄道のもたらす明滅刺激。感受体としての壊れやすさの自覚。余計なものの無さ。

ユミズタキス
 
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センサリーを聴く:Two Shell – home

Two Shell

Two Shell『home』

心地よさを見失いそうになるときは、心地よい刺激をたくさん浴びるに限る。
それ自身が囚われることのまるで無い、湧き上がる無数の泡の中にいるような感覚。
過集中の向かう先は、なるべく豊かなものの方がいい。心を洗って大掃除していく。
 
 
ユミズタキス

 
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センサリーを聴く:Axel Boman feat. Man Tear & Inre Frid – Out Sailing

Axel Boman

Axel Boman feat. Man Tear & Inre Frid『Out Sailing』

自閉症スペクトラム者にとっての愛は、等速移動に詰まっている。
電車から、船から、車から。ソリから、スキー板から、歩く脚から。
閉じた自分の中に無い、流れる景色が与えてくれる刺激すべてへの恋慕。
 
 
ユミズタキス

 
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東京藝大、橋本和幸教授らチームによる「センサリールームプロジェクト」に感じた未来

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画像出典元:橋本和幸 | 藝大デザイン科第9研究室 https://www.hashimomoh.com/

センサリーデザイン最前線 第61回

 
TENTONTO代表のユミズです。

本日のセンサリーデザイン最前線は、前回の記事に引き続き日本におけるセンサリーデザインの動向です。東京藝術大学、橋本和幸教授らチームによる「障害者の困難な体験環境をアートで解決するセンサリールームプロジェクト」展示の紹介になります。展示は本日が最終日。感染拡大に伴い、最後まで取材で訪れることが叶いませんでしたが、ついに日本で、センサリーデザインの学究の試みがこのように進み始めている意義はとても大きいことです。
 
 
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画像出典元:橋本和幸 | 藝大デザイン科第9研究室 https://www.hashimomoh.com/

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センサリーを聴く:Jon Hopkins – Wintergreen

Jon Hopkins

Jon Hopkins『Wintergreen』

発達障害当事者にとってのセンサリー、つまり感覚的に落ち着くものについて考えるとき、「惚れるような」というイメージが、それをうまく捉えるのに役立つかもしれない。
見惚れる、聴き惚れるような、おおらかに調和した要素をもつ美しさによって、さっぱりしても清らかでもない、世の中の数多のものに傷つきやすい当事者の心は安らぐ。
だからこそ、繊細できめの細かい、「惚れるような」調和をひときわ必要としているのが、多くの発達障害当事者たちなのだと思う。

 
 
ユミズタキス

 
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センサリーを聴く:Session Victim – Made Me Fly

Session Victim

Session Victim『Made Me Fly with Beth Hirsch』

5年前、「あすぺるうが」というゲームを作った。このミュージック・ビデオはその雰囲気に似ているね、と、原と話す。あの頃よりずっと、熱心に音楽を聴くようになった。ゼンハイザーのHD25と一緒に、今日もセンサリーな自由のあるヒトの在り方への創作的思索を深める。センスの力を集めて、必要なときにできることを、もっとできるようになるために。

 
 
ユミズタキス

センサリーを聴く:Yaeji – WAKING UP DOWN

Yaeji

Yaeji『WAKING UP DOWN』

パンデミックの時代のフラット化した生活サイクルの中では、最も平凡なことでさえも困難な作業のように感じることがある。

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センサリーを聴く:Akasha System – Echo Earth

Akasha System(100% Silk)

発達障害という精神の障害。趣味嗜好の偏りや強迫性、感覚の過敏がみられることも多い当事者の思考回路に、もし非当事者がダイブできるのなら。その特異な精神世界を伝えるような芸術表現を探すコーナー

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