矛盾―暗示
Photo: よういちらく
人間は、孤独に関して一生の敗北が決定している。
そのために、関係性への執着心の芽生えなどは愛とされ、
この愛は、人間において非常に重要なものである。
しかしながら、やはり矛盾を帯びた人間という動物は
孤独には耐えられない反面、どこかで孤独を求めている部分もある。
たくさんとの知人との集まりを終えた後
楽しかったという気持ちと裏腹に少なからず、
疲れてしまったという気持ちが芽生えたことがあるという経験
必ず、誰もがしているのではないだろうか。
「人と会うと疲れる」「疲れると分かっていても会う」
矛盾というのは免れることはできず
おそらく、一生付いて回る。
自分を何者かということを証明したがったり、
また相手の事をも何者かということを明確にして、
その関係の中で安心、安定を得たりする。
それでも人間には、これはこうだと言えるような部分が
おそらく少ない、もしくは無いのではないかとも思える。
しかしこの現代世界では
一方的な見方やある程度の暗示は必要で
それが期待や生きる上での愉しみなどに繋がり
皆、日々を歩んでいるのかもしれない
私も私を何者かということを突き詰めたいが
実際のところ、きっと何者でもないのだと思う。
わ田かまり
追記
みなさま、明けましておめでとうございます。
今年もTENTONTOで文章を書かせていただきますので
どうぞ、よろしくお願いいたします。