英・グラスゴーの美大生、手書きアニメで自閉症を紹介
テントントさんがやってみたコト 第18回
本日は、イギリスのスコットランドにあるシティ・オブ・グラスゴー・カレッジでコンピュータアート・デザインを学ぶリンセイ・ホッジさんの作品をご紹介。
「セルフポートレートアニメ:私の自閉症」と題したこの作品の作者、リンセイ・ホッジさんは高機能自閉症を持っています。作品の中で彼女は、一見してそれとは気付かれにくい高機能自閉症ゆえの特徴を、実例を挙げながら説明しています。動画にでてくる英語を和訳してみました。
【対人関係やコミュニケーションでの問題】
・「人の話を聞いても頭が真っ白になってしまって、まるで私が彼らのことを覚える前に言葉が消えるみたい」
・「知らない生徒たちとは距離を保ち続けたので彼らの名前と顔が覚えられなくて苦労した」(家族や友人の名前は覚えていられる)「4年間同じクラスだったとしても、誰なのか本当にわからない」
・「もっと人のことをわかったらよかったのにと思う」「「不注意だ」とか、「無関心だ」とか、「ちゃんと人の話を聞きなさい」だとか言われてきた」「やってみたけどできなかった」
【こだわり】
・「お昼になったら、毎日教室の同じドアから出て、同じ道、同じ店の同じメニューを買う」「私は自分の日課に全く飽きない」
・「同じゲームを同じ攻略法で繰り返し遊ぶ」「同じYouTubeの動画を同じ順番で見返す」「同じアニメのDVDを何度も何度も観る」
・「汚かったとしても、服も毎日同じものを着たい」
・「自分の興味から外れた一般常識についてはからっきし」「700以上のポケモンの名前を覚えられるけど、首相の名前は覚えられない」
作品は「でもわたしはまだ幸せ。それを理解できる人達がいるから」と締めくくられています。
ASC(自閉症スペクトラム症状)を持つ私も共感してしまう部分ばかりの内容です。ASCの特徴が日常生活のある場面で困難を抱える要因になると、程度によっては障害と呼ばれてしまう。そんなジレンマを抱えながらも、周囲の人の助けや自分の没頭できるものを大切にして、それを表現するリンセイさんに強いエネルギーを感じます。
訳・文:marf