(火) N = ナビ(案内)
センサリーデザインに関する知識や、ビッグニュースをお届け。
センサリー・スティミュレーター。ASDを持つ方向けの製品機能の説明書きに、よく登場する言葉です。感覚刺激装置という意味で、五感を心地よく刺激することで、嫌なことから自分を一旦離し、気持ちを落ち着かせるような機能を指します。以前センサリーデザイン最前線第1回、第3回でご紹介したデザインは、このような機能をデザインの核にしているプロダクトです。
ASDを持つ方へ一般的に抱きがちな支援方法として、自閉症を持つ方は神経が過敏な傾向があるので、目にはサングラスを、耳にはイヤーマフを、と言った形でとにかく刺激をなるべく少なくするものを用意すると良い、というものがあります。簡単にまとめると、刺激を減らすことが重要、という考え方です。これは近年研究の進む自閉症スペクトラム(ASD)という考え方においては、必ずしも適切ではありません。スペクトラムとは自閉症状の多様性を表現する言葉です。
(水) S = スヌーズ(うたた寝)
テントントさんのマイペースな日常を、コラムやマンガでつづります。
「勉強しかできない奴はダメ」「テストの成績はよくても、仕事できない奴はダメなんだよ」。職場や学校で、こんなフレーズを言ったり言われたりしたことのある方、けっこういるのではないだろうか。
僕も中学生の頃に言われたことがある。当時所属していた球技の部活動の練習をしていたときのことだった。すごく驚いて、悲しい気分になったのをよく覚えている。自分がとても理不尽な扱いを受けているように感じてしまったのだ。
「勉強できるけど仕事できない」でGoogle検索してみたら、なんと100万件以上のページがヒットした。もちろん全部が全部このフレーズに関わるものじゃないだろうけど、「勉強できるけど仕事できない」問題は多くの人にとって深刻なものみたいだ。なんだか心に引っ掛かるこの言葉。一体なにが気になるのか。ちょっと整理してみたので、お付き合いいただきたい。
Photo: 桐野零
先日、正式に引っ越して以来初めて実家に顔を出した。ふと思い立って父親にプレゼントを渡すことにしたのだ。私と父はほとんど会話を交わさない。不意に会ってしまう時があれば「こんにちは」が交わされる。夜も「こんにちは」だし、朝も「こんにちは」だ。
私の父は生粋のゲーマーで、60年間ゲームと共存してきたようなそんな男である。私は過去一度だけ、父にプレゼントをしたことがある。この時も今回同様思い立った私は、糸井重里さんの手がけたMOTHERシリーズのキーホルダーをガチャガチャで全種類集めた。3回かぶったらあげるべきではないと考えていたのだが、6種類のキーホルダーを2回だけ被らせてコンプリートすることに成功した。そして何か義務感を感じながらその6種類のキーホルダーを何の前触れもなくプレゼントした。自信はないが、おそらく喜んでいたと思う。
今回は、食べることに対し興味がそがれてしまったことを母から聞きつけ、アップルパイとイチゴのケーキをプレゼントした。ケーキ一つをあげるのは何だか気が引けたので、ならば二つあげようと考えた。「2つのケーキです。2つともあなたが食べて構わないものです」と告げ、冷蔵庫に詰め込んだ。父は状況が読み込めていなかったようだが、相槌のような吐息のような音を発していた。久しぶりにこんにちは以外の声を聞いた気がした。
わ田かまり
Photo: 斧
私は慣れない環境や新しいことに対しての適応能力が群を抜いて低い。
「人は失敗を経て学ぶ」という考えがある。私は新しいことに取り組んだ時、必ず失敗をする。そしてその失敗はかなりの規模の大きさを誇る。大きな失敗というのは次の成功につながると感じるし、私自身一度失敗したことは二度目以降絶対にしないという自信はある。しかし、現実というのは厳しいものである。私の失敗の規模が大きすぎるが故に、成功につながることが約束されている”次”がやってこないことが多々あるのだ。これは本当に小さい頃からさほど変わっておらず、むしろ年々失敗の度合いは悪化しているようにも見受けられる。
最近の引越しでも新しい街に馴染むことができず、新居では様々な動揺を繰り返してしまっている。
ある日は買ってきた卵をワンパック家の前で落とし、エコバックの中でいくつもの卵黄と卵白が入り混じった。一緒に買った豆乳パックと大根が少し黄ばんだ。またある日には、ipodを流しながらもやしを茹でる”ながら茹で”をしていたところ、ひょんなことでお鍋にipodが落下してしまう。取り急ぎ救出しようと目の前にあったザルを使いipodを救ったものの、すでに音を失っていた。もやしは何が起こったか分かっていないようだった。
先日は人生で一度も欠かすことなく着用してきたブラジャーを忘れた。幸いパンツは履いていた。
この動揺はいつまで続くのだろうか、早く新しい街に慣れたいものである。
わ田かまり
四月、就活シーズン真っ盛り。電車の中に学生さんであろう、着慣れていないスーツ姿の人達をたくさん見かける季節です。ASDとADHDをもつ私も、かつていわゆるまっとうな就活をしたことがあります。