プロジェクション・マッピングを用いた自閉症児向けのセンサリーテクノロジーが登場
センサリーデザイン最前線 第26回
こんにちは、編集長のユミズタキスです。本日はミシガン・ラジオのWebサイトより、『新しいテクノロジーが自閉症児のセンサリー体験を創り出す』の記事を日本語にしてご紹介。
New technology helps create sensory experiences for children with autism
新しいテクノロジーが自閉症児のセンサリー体験を創り出す
RYAN GRIMES 2016年7月7日
ザ・ネクスト・アイデア
自閉症スペクトラムの子どものために。それは世界とつながる学びのチャレンジ。
ザ・ネクスト・アイデアの最新のゲストは、 Sean AhlquistさんとLeah Ketchesonさんです。彼らはミシガン大学の、自閉症児の支援のためのエキサイティングな新しいテクノロジーの開発に取り組むチームに所属しています。
Ahlquistさんはファブリックによるデザイン―実際はスクリーンとして使用します―をされています。誰かが触れると、投影された色やイメージが変化します。このテクノロジーは『ソーシャル・センサリー・サーフェス』と呼ばれ、彼の説明によると、私たちがどうやって自身の環境とインタラクションを行うかについて考えさせるものになっています。
「ある環境に適応できるようにする、というアイデアです。ただの背景ではなくて、実際に…触れられて、センサリー体験があり、この空間が何らかのソーシャル・インタラクションを促すようになっています。」とAhlquistさん。
Ketchesonさんは、このスクリーンのインタラクションが日常に与える影響について調査するプロジェクトを始めたことを話してくれました。それは自閉症を持つ子どもを悩ませる、文字を書いたり、ボタンを留めたりといった動作を含む指先の微細な運動に関するものです。
「我々はさらに、より大きな身体運動の影響についても調査したいと思っています。」とKetchesonさん。「なぜなら自閉症をもつ子どもたちは、体を動かす機会に乏しく、その結果として成長するにつれずっと座りっぱなしになっていくからです。」
Ahlquistさんによると、このプロジェクトの発想の背景は、「子どもが快適でいきいきとできるようなセンサリー体験は、ソーシャル・インタラクションについて言えるような自閉症におけるもっとも困難な傾向へ、徐々にではありますが統合を始めるきっかけになる」という考えに基づいているそうです。
視覚刺激と触覚刺激。さまざまなセンサリー体験の中でも、現代の科学技術との相性の良い刺激の組み合わせと言えます。日本のゲームセンターにも『え~でる すなば』という、砂遊びとプロジェクション・マッピングを利用したセンサリーゲームが登場してきています。
ユミズ タキス
あらゆるゲームを愛する当誌編集長。ASD,ADHD,OCD当事者。
知識だけに飽きたらず、実際にやってみるのがゲーマーの常。
アフリカに3500年前から伝わるボードゲーム『マンカラ』から、
ゲームセンターの『プリパラ』まで、はばひろく遊んでいます。