BBC Twoの新番組「Employable Me」の放送が始まっています

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センサリーデザイン最前線 第21回

みなさんこんにちは、TENTONTOメンバーのmarfです。

世界のセンサリーデザイン最先端をご紹介しているこのコーナー。本日は、以前このコーナーの第13回で取り上げたイギリス・BBC Twoの番組”Employable Me“の放送が3月より始まりましたので、YouTubeで公開されているトレーラーなどを元に内容をご紹介いたします。
 

 
この”Employable Me”は、神経障害(たとえばトゥレット症候群や自閉症)を抱える人々が、障害を理由に職に就けないことはないのだと証明しようとする番組です。毎回さまざまな神経障害を抱えた人々が登場し、障害ゆえにうまくいかないことを話します。それらを科学的な観点から見つめ直すことで、その人が持つ、その人ゆえの強さとして捉え直していきます。

番組は3回にわたって放送されました。以下、第2回と第3回のプレビュー動画です。
 
 
 

 
 

 
 
 
 
番組のアドバイザーとして、本誌でも度々ご紹介している自閉症スペクトラム研究の権威で『自閉症スペクトラム入門』の著者、サイモン・バロン=コーエン博士がアドバイザーとして参加しています。

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画像出典元:BBC Two 様 http://www.bbc.co.uk/bbctwo

サイモン・バロン=コーエンに会い、ベンは彼のアスペルガー症候群が職場において強さになることを理解します。
(BBC Two ‏@BBCTwo 4月6日 のツイートより)

 
 
 
こちらの放送に関するレビューが、テレビ番組や映画のレビューサイトRadioTimesにありましたので、ご紹介します。

http://www.radiotimes.com/episode/d4kcnf/employable-me–series-1-episode-3

エンプロイアブル・ミー シリーズ1 エピソード3

レビュー:デイビッド・ブッチャー

ベンはアスペルガー症候群を抱えています。そして、それは就職面接での彼の答えが少し強烈に聴こえることを意味します。「僕はあなた方のために血も汗も流してみせます。」と、彼は事務弁護士の会社で女性に話します。
「僕は、地球のまさしくその骨に、それを誓います。」

『ゲーム・オブ・スローンズ』(テレビドラマシリーズのひとつ)は、あまり彼の職探しに役立ちませんでした;
なにもかも失敗するとき、彼は家に帰って、世界から孤立するためにレプリカの中世のヘルメットを身につけます。
彼は法律が好きで、法律の学位を持っています;しかし、会社は彼に可能性を与えますか?
彼の求職に続いて、我々も23才のエリー(彼女はトゥレット症候群のチックのために、あるインタビュアーから「詮索好き女」と呼ばれる)の後を追います。

この番組について
3/3。
トゥレット症候群と自閉症の2人の求職者たちは、彼らが雇い主に貢献できるだけの強さを持つということを証明しようとします。
23才のエリーは2年前トゥレット症候群になって、ユースワーカーの仕事をやめさせられました。
彼女は受け入れられる仕事を必死に見つけようとします、そして、神経心理学者は彼女の状態が、思いやりのようなところにある強さに繋がっていることを、彼女が発見するのを手助けします。

一方、27才のベン(彼はアスペルガー症候群を抱えています)は、不安を減らすために厳しい規則によって彼の人生を送り、彼の成人期を法律を学ぶことに捧げました。
学位を2つ持っているにもかかわらず、彼が卒業してから3年、どこの法律事務所も彼と面談しませんでした。
しかし、自閉症の専門家サイモン・バロン=コーエン教授に会った後、アスペルガー症候群が障害とみなされてはならないと、彼は理解します。
シリーズの最終話。

 
 
視聴者のツイートで、私はこの番組が放送されていたことを知りました。#EmployableMe で検索してみると、番組を見て勇気づけられた人々の感想が出てきます。

TENTONTOでも自閉症スペクトラム障害を自閉症スペクトラム”症状”として捉える試みについてご紹介しましたが、障害を何かができない理由にしないという姿勢に、私はとても共感します。自分もASCを持っているゆえに客観的な視点を持つことが難しいのですが、このような試みを追っていく中で思考を深めて、自身の症状とうまく向き合っていけたらと思います。

【関連記事】発達障害者雇用問題の番組がBBC Twoで登場
 
 
 
 

~こちらは2016/04/08公開の記事の再掲載です~