南アフリカ:自閉症者学校でセンサリールームが開設される
センサリーデザイン最前線 第46回
TENTONTO編集長のユミズタキスです。ASD・ADHD者の感覚の違いに注目し、そこから生じる困難を解決する最新の『センサリーデザイン』の話題をご紹介するこのコーナー。先月末に南アフリカ共和国で開設された自閉症者学校内のセンサリールームについての話題です。南アフリカの情報サイトComaro Chronicleより日本語訳にてご紹介します。
http://comarochronicle.co.za/142541/school-for-autism-opens-sensory-room/
動画:自閉症学校、センサリールームを開設
セラピーのための感覚統合機構は、より効率的に新しい技術を学ぶことに取り組める、子どもたちの脳をまとめる能力を強調する。
2017年8月17日
泡:部屋には子どもたちを落ち着かせるためのバブルマシーンがある。7月31日、ヨハネスブルグ病院学校はサムズ・センサリールームを開設した。命名はサミュエル・フィンから取られた。
開会式でリボンカットしたロデリック・フィンは彼の息子、サミュエル・フィンが弱冠2歳で自閉症診断された馴れ初めを説明した。そして、彼はセラピーのための息子のニーズと、セラピーの影響、そしてより重要な、センサリールームを見た。
(中略)
ヨハネスブルグ病院学校は州立の自閉症に特化した学校で、3~21歳の338人の生徒がいる。6~10人の生徒からなるクラスは、1人の先生と1人のティーチングアシスタントによって教えられる。学校には、3人の作業療法士と3つの言語療法部がある。
(中略)
照明:穏やかな照明と音楽による、最新技術のセンサリールーム。
穏やかな照明と楽音による最新技術の感覚の部屋。研究によれば、自閉症スペクトラム障害をもつ人の最大98%が感覚における挑戦を経験するとされる。この挑戦には、感覚刺激へ気にしたり注意を払う困難が含まれる。もうひとつの困難は、感覚のインプットを調整すること、感情とふるまいを管理できないこと、そして上記の全てを集約したものとして、日々の暮らしの活動で用いるために、適切に知覚を統合する能力にも挑戦がある。
脳は、以下の感覚から入力を受け取っている:
・視覚システム―視力に関係する
・聴覚―音に関係する
・触覚―触る感覚
・味覚―味わうことに関係する
・嗅覚―臭いをかぐことに関係する
・前庭感覚―重力についての処理をする、頭の動きとバランスをとるスキル
・固有感覚―姿勢と動作に関係する自閉症スペクトラム障害をもつ人は、環境とのインタラクションに困難を抱える。これは彼らの興味を持ち、学び、必要なスキルを習得する能力に悪影響がある。学習は、感覚の適切な使用と統合を通してなされるものだ。センサリモーター・インタラクションは、自立のためのスキル開発と、高度の認識機能の開発のための基礎を提供する。
(後略)
南アフリカ共和国でも、自閉症スペクトラム障害(ASD)をもつ人々にとってのセンサリーな空間の重要性をとらえて、こういった設備が開設されてきていることがわかります。日本でもこういったセンサリーな取り組みが活発化していくといいですね。