センサリーとゲーム体験

EverettEffectPackage

編集長のユミズです。本日は、個人的に開発に2年間関わってきたゲーム『エヴェレット・エフェクト』が今週末に発売となるためその告知と、ゲーム体験のもつ発達当事者にとってのセンサリー(感覚的な居心地の良さ)について書かせていただきたいと思います。

以前D.culture様のコラムにも書かせていただきましたが、私はいわゆるナードでして、ゲームを通して得られる体験をとても好んでいます。私の場合の遊ぶ理由としては、頭を使って問題を解決する喜びを感じたいといったやりこみ体験、凝ったゲームシステムをSQ(システム化指数)の部分で味わうといったことが主で、他にも流行に疎い自覚から今の刺激をもらうため、友人から紹介されたときに一緒に遊んだりもします。TENTONTOでもマインクラフト風ノ旅ビトチェスの話題など、ゲームに関する内容の記事を執筆してきました。

ゲームをつくる、ということに関しては高校生ぐらいから少し興味がわいて、当時少しブームになっていたアクションゲームのハックを試してみたりしていました。発達当事者とコンピュータオタクとの明確な境界はない、とは当事者活動家のテンプル・グランディンの言ですが、それほどコンピュータに興味の持てなかった私の場合もそれに当てはまっていたような気がします。フリーペーパーTENTONTOでも、『あすぺるうが』という感覚過敏体験ゲームを雑誌企画として作成したことがあります。

多くの人との感覚のずれの大きさから、発達当事者は感覚刺激について意識する機会が多くあります。一般には認知されにくい視覚刺激や聴覚刺激の過敏、過鈍さは、幽霊が見えるという人と似た感じで捉えられることもままあります。脳の形の違いと言ってしまえばそれまでですが、さらに発達当事者自身の脳の中でも、自分の感覚と向き合って自分にとって快適、センサリーな感覚刺激を取捨したり、独自の感覚体系を持ったりといったことが起きます。強烈なバーチャル体験を与える洗練されたゲームの中には、このようにして暮らしてきた私のような当事者にピッタリとはまる形をしているものが多くあるように思います。

エヴェレット・エフェクト』ではそんな私が、ゲーム体験のコンセプトデザイン、イラストやロゴデザインなどグラフィック面、他にシナリオチェックなどを担当させていただきました。これまでにない手触りのゲームを作りたいと開発当初から意気込んで、実装可能な範囲で見たことのなさや感じたことのなさを与えつつも、今回制作したゲームジャンルのプレイヤーにスッと楽しんでいただけるような内容を実現できたと思います。

物語を読むことが好きな方であれば年齢問わず広く遊べる内容になっておりますので、ご興味ありましたらぜひお手に取っていただけますと嬉しく思います。

ユミズタキス