コラム:コンビニエンスということ

コンビニに感じるセンサリーデザインらしさ

ASDとADHDを持つ私にとって、コンビニは欠かすことの出来ない暮らしの友です。感覚の違いに由来した様々な日常生活での困ったことを、便利に解決してくれるのがコンビニです。それはつまり、コンビニはセンサリーデザインなのかもしれません。いくつかその理由を考えてみました。

1.生活時間が多くの方とずれていても利用できる

24時間営業店舗の多いコンビニは、いつでも利用できます。感覚の違いから独自の生活習慣を築いているASDやADHDを持つ私達は、特に夜の時間に価値を見出すことがあります。私の場合、夜は静かで集中に適していると感じますので、色々な作業を夜にしています。仕事をすればお腹も減りますし、息抜きもしたくなります。そんなときにコンビニは気兼ね無く利用できます。

2.近所に豊富で安定した品揃えがある

ADHDを持つ私達にとって、コンビニには欲しいと思ったものが手に入る安心感があります。私の場合何かが欲しいという考えが浮かんだとき、記憶から呼び覚まされるイメージが強烈過ぎて頭がそのことでいっぱいになりがちなため、欲しいものが近所のコンビニに行けばあるという事実はかけがえのないものです。品揃えも豊富なため、欲しいと思ったものがまさに売っていることも多いです。

3.店員とのやりとりがシンプルで疲れない

ASDを持つ私達は接客を好まないので、コンビニでの店員との簡潔なやり取りは非常に気が楽です。最近では会計の並ぶ順で混乱が生じないよう地面に印が貼ってありますし、温め・箸の有無・年齢などの確認→金額提示→金銭授受とやりとりの順序がしっかりしています。私の場合あまりに気楽で気分が良くなり、ついレジで目についたあんまんを頼んだりと、自分から店員との会話のやりとりをしてしまうことがあります。

4.新商品が多くて飽きない

ADHDの目新しいもの好きの心を捉えて離さないのが、どんどん登場する新商品です。お弁当やお菓子、キャラクターグッズなどで色々なジャンルの企画商品が登場します。買う買わないは別にして、安定した品揃えにプラスしてこういった面白いものが続々登場する魅力がコンビニにはあります。

5.ピンチを切り抜けられる

そしてなんといってもコンビニに一番助けられるのは、自分にとっての緊急事態のときです。まずは体調不良。トイレも気軽に利用ができますし、眠気止め、風邪薬、胃薬、酔い覚ましなど薬も豊富です。次にADHD由来のうっかりにも、お金の支払いや引き出し、荷物の発送、コピー機による資料作成といった各サービスがいつでも利用できます。また旅行先のコンビニでは、歯ブラシや整髪剤、下着まで揃えることが出来ます。まさかの時の友こそ真の友、という言葉をよく聞きますが、真の友はコンビニをおいて他にないのでは、と思ってしまいます。

ユミズ タキス