己ノ脳ニ傾聴ス―自閉症スペクトラム症状の動作音(社会的想像力の欠如 編)
人の話をよく聞くことの「よく」の部分には、「想像力を働かせて」という一要素が入っている。社会生活の中での多くのシチュエーションでそれは起こる。
「想像力を働かせる」ことが求められている、そううっすらと気がついたときには、私は以下のような思考ルーチンを踏んで対処しようとしてしまう。
・ここでいう想像力は、棒と台座を使って天井に吊るされたバナナを取るにはどうしたらいいか想像する、という類のものではない、ということを念頭に置く
・相手の気持ちを考えて、と、言い換えをされる場合もあるが、これは論点ずれを起こしやすい定型文のため、意識して自分で文意を正す
・このような「当たり前」のことを言われて考えこむことそのものが奇異に映るため、生返事に見えないような応答を心掛けつつ、上記2項目を手早く実践する
・マルチタスク化を避けるために、「次の一手」のみ、結局なにをしたらいいのか、を、気が散る中で考える
・こちらがこわばると相手も緊張してしまうので、話を聞きながら可能な範囲でリラックスすることに努める
・丁寧すぎないように注意して、リラックスした笑顔で簡潔に謝辞を述べる、オーバーリアクションを嫌う人の場合は特に注意を払う
・着席後、メモやふせんに書きだしてアウトプットし、その後の作業のマルチタスク化を避ける
・うっすらと感じる周囲からの奇異の視線を気にすると作業能率が低下するので、事実か否かはどうあれ、被害妄想と割り切り頭から排除する
・感じた負荷に応じて、用意して置いた単糖類を含む菓子を食べる
ユミズタキス