己ノ脳ニ傾聴ス―自閉症スペクトラム症状の動作音(感覚過敏 混雑時の駅構内編)

多くの人は、それとなく他の人とぶつからない距離感を保って移動できるそうだ。だが、文脈盲の私にはその「それとなく」は極度に難しい。

加えて、ASD者の多くが持つ感覚過敏のあらわれにより、他人の衣服やバッグなどが自分の体に接触するのをとても不快に感じてしまう。

そのため、混雑した駅構内で往年のフリーゲーム気合避けバカ一代なみの「弾幕避けゲーム」を展開する必要がある。


 
・鞄は体にフィットさせられるフィン付きの登山用サブザックタイプ相当のものを使用する
・体臭・酒・タバコ・香水の臭い・ホコリっぽさが苦手のため、ピッタリフィットする使い捨てマスクは欠かせない
・不快な刺激を遮断したあとは、人を避けるためのウォームアップ。リズム感と重心移動を行なう集中力がなにより重要になる
・眠気覚ましのため、集中力を高めるためにインナーイヤータイプのイヤホンを使い、ニット帽の中でダンスミュージックをかける
・人の流れを計算して、発生するであろう通路の空いた場所を見つけて素早く移動する
・すれ違いが多い箇所や曲がり角では、体のねじり・横飛び・前ステップが欠かせない
・合併しているADHD(ASD者の7割は合併)の影響で遅刻しそうになっている場合は、さらに集中力を高める
・火急の際は、自分の立てる振動に自分で驚かないよう、足音を殺しながら「全力ダッシュ」する
 
 
当誌TENTONTOのno.3の企画で、自分のようなASD者の日常を体験できるフリーゲームを作った。

アスペ感覚シミュレーションゲーム『あすぺるうが』 特設ページはこちら
 
 
ユミズタキス