テントントなスラング:ditzy
TENTONTOエンタメ部 第49回
こんにちは。TENTONTOメンバーのYutaniです。
エンタメ部のコーナーでは、海外のスラング(隠語)をキーワードに、多くの人と感覚の違いをもって暮らす人=テントントさんの生活について考えてみる企画をお送りしています。題して、「テントントなスラング」!
今回紹介するのは、いわゆる「天然」な人を指すアメリカのスラングです。
【ditzy / 形容詞 / (主に女性に対して)天然っぽい。ズレている】
ある人の行動や考えが、他の人たちと比べて少し違っていて、おかしい様子。日本語で言う「天然っぽい」という意味にあたる英語のスラングです。
“goofy”や、そのものずばり“fool”など、「天然」な人を指す単語はいくつかありますが、そのなかでも女性的なニュアンスを持つのが“ditzy”のようです。このため、海外ではアニメ・漫画のキャラの性格、つまり「萌え属性」を表す単語としても使われているようです。日本語なら「ドジっ娘」「アホの子」「ぽんこつ」あたりが近い表現でしょうか。アメリカでは「金髪の人=天然っぽい、アホっぽい」というステレオタイプが未だ根強く、ジョークのジャンルとして「ブロンド(金髪)ジョーク」と呼ばれることもあります。
生まれつきの発達障害の特徴ゆえに、ADD(注意欠陥障害)的な行動をとってしまう人は一定数います。そんな人たちを指してdiztyなどの「属性」を与えてしまうことに、私は有無を言わせぬ強引なもののように感じてしまいます。「周囲から見て、社会的に際立って目立つ」という理由で、その人の特徴の一端に過ぎない部分をラべリングしてしまっていいのだろうか。そんな風に感じてしまうのです。そのような言葉を投げ掛けられた人が反論する余地を認めていない、そんな言い方のように聞こえるからかもしれません。
「天然っぽい」、もしくは“ditzy”といった言葉が、ある集団の中でのコミュニケーションを円滑にすることもあるでしょう。ですが、そうした言葉の中に、どんな視点が隠れているかに目を向けることもまた必要なのではないか。僕はそう考えています。