強迫めし ばっかり食い編

150620meshirogo

声を大にして言いたいことがあります。いただきます、と手を合わせてから先は、私とご飯とは”食う食われる”の関係なのです。ですから、あなたからその格闘の様子がどう見えようと、それを根拠に私たちの”真剣勝負”の邪魔をしないでほしいんです。

自閉症スペクトラム者にしばしば合併するSPD(感覚処理障害)の表れか、私は辛味と旨味にとても”鈍感”な舌を持っています。そのせいで、舌に擦り付けるようにしてしっかり食べることで、ガシっと味を掴んで確かめる、そんな味わい方を無意識にします。鈍感だから味がまるでわからない、というわけではないんです。ちゃんとおいしいものはおいしい!と思えますし、そのプレシャスなひとときを全力で味わいたい、という強い願望もあります。

同じ味を何口も何口も食べて、ふむふむなるほどとするためには、一品だけを「ばっかり食い」しなければなりません。少しずつ色んな物を口の中に入れるのが日本人の行儀、そんなpickyなことはヤメなさい!と言われても、それでは私は食べた気になれません。人には人それぞれうまいと思える食べ方があり、そしてそれでいいという団欒。そんなセンサリーな食事の場を私は要求します。

私の食事マナーは、はっきり言って悪いです。ある種の社会的な場では、それは重大な問題になるでしょう。そうだとしても、私の中では私の「食べる」だって重大なことです。生きてたものを食べちゃう以上、しっかり味わいたいしワクワクしたい。その瞬間の”生きてる感”は、いつでもどうしても手放したくないんです。

ユミズ タキス