「アスペのための」ゲーム、チェス ①

chessmen

テントントの僕らの目が輝くもの 第12回

 
こんにちは、TENTONTO編集長のユミズタキスです。

本日は久々の更新となるこのコーナー、ASDやADHDをもつ人たち(テントントさん)の心をウキウキさせるものをご紹介するコーナー【テントントの僕らの目が輝くもの】。本日はチェスの話題です。

TENTONTOwebでは、これまで自閉症スペクトラムをもつ11歳のチェスプレイヤー・ジャスティン・ハックくんの記事私タキスの趣味のチェスの話の記事テントントメンバーMC Yutaniによるツイキャスラジオにて、チェスの魅力をご紹介してきました。

今回から数回に分けて、イギリスの自閉症当事者活動家クリス・ボネーロさんのサイトautisticnotweird.comにて、チェスプレイヤーでもあるボネーロさんの”自閉症児がチェスをプレイすること”に対する熱い思いを書いた記事を日本語でご紹介していきます。
 
http://autisticnotweird.com/10-reasons-for-chess/
 

 

自閉症をもつあなたの子どもが、今すぐにチェスを習うべき10の理由

2015/5/24 クリス・ボネーロ(Chris Bonnello)
 
ああ、チェス。王のゲーム…そしてアスピーのためのゲーム。
 
さて、この記事を書き始める前に、読者の皆さんの幾人かが思いつくであろう、自閉症児がチェスを学ばないほうが良い理由を、以下の通り挙げてみます。

1.彼がもし負けたら、ボードをぶん投げちゃうよ。
2.彼女にそんな集中力はない。
3.彼は本当にチェスが上手くなるほど、頭がいい訳じゃない。
4.どうせ飽きちゃうよ。
 
私の返答は以下の通り:
1.チェスは、衝動的・直情的なゲームではありません。何十人も自閉症児を教えてきたのに、上に挙げたようなことがこれまで起きていないのも、おそらくこのためです。
2.忍耐は育つもの。それを育ててくれるのがチェスです。
3.真に重要なレッスンを受けるのに、お利口さんである必要はありません。以下を読み進めれば、その理由がわかります。
4.もし飽きちゃったとしても、結構。そうなるとは限りませんし、そうだと決めつける前に、彼女に経験させてあげましょう。

 
私自身注意欠陥があり、ゲームはそれほど得意ではないですが、それでもチェスは多くの癒やしと学びを与えてくれた気がしています。大変共感できる内容です。
 

さて、記事をはじめましょう。

人々が、自分の好きなゲームについて語るときの決まり文句をご存じですか?「フットボールは単なるゲームではない」といった類のものです。

さて、事実を述べます。チェスは単なるゲームではありません。
 
僭越ながら私についてお話しさせていただくと、これまでに以下のような経験があります。
・6つの学校で、16回のチェストーナメントを主催した(公式、非公式両方)
・私の住む地域で初のチェス・クラブの顧問を務めた経験あり(我々はとても、強くなりました)
・大勢の参加者を差し置き、優勝賞金500ポンドのトーナメントでの優勝、その他大会で準優勝
・ジブラルタルと南ドイツまで遠征してプレイしたことがある
・そして(これが重要なポイント)、何百人もの子どもたちに、思考するための、そして彼らが互いを見つめるための道を説いてきた

そんな私の結論は以下の通りです。
 
チェスは、思考する過程です。
チェスは、自分の選択に、自分で責任をもつための鍛錬です。その選択が、良いものであっても、悪いものであっても。
チェスは、自分の行動について考え、確信を持って、正しい決断をするための、人生のスキルです。
チェスは、生まれつきの不得手をもつ人が、自信を増幅させるための装置です。

そしてチェスは、自分よりずっと年上の人を知恵で打ち倒すためのチャンスなのです。相手と話すらせずに!
 
マジな話、愛さない理由がありません。

これから、「あなたの自閉症児が今すぐにチェスを習うべき」10の理由とそのメリットを、あなたにお示しします。さあ、いきましょう!

 
次回、理由その1を公開!乞うご期待ください!
 
訳:ユミズタキス、Yutani