ボクシングに勇気をもらった、アスペルガーの少年
Y = ユース(青春)
熱い思いを胸に活動する、テントントさんのハートフルなチャレンジ。
画像出典元:Quest News 様 http://www.couriermail.com.au/
テントントさんがやってみたコト 第11回
TENTONTO編集長のユミズ タキスです。多くの人と感覚の違いを持って暮らす人=テントントさんのうち、感覚の違いからの問題に立ち向かう活動をされている方々をご紹介しているこのコーナー。第11回では、ボクシングで生活が変わったという13歳の少年、マイケル・カイリーくんをご紹介します。
TENTONTOでは発達障害の当事者の心を落ち着かせるためのデザイン、センサリーデザイン。リラックス・気持ちを落ち着ける、というと静的なイメージを想像しがちですが、体を動かすことでリラックスできるようになる、という記事も、これまでも多数ご紹介してきました。今回もスポーツの話題です。オーストラリアの地方紙、クエスト・コミュニティー・ニュースペーパーのWeb版に掲載されたコラムをお届けします。
A West End boxing program is helping children with autism and Asperger’s syndrome
ウェストエンドのボクシング・プログラムは、自閉症・アスペルガー児を助ける
2015年7月25日 ブライデン・ヘスルハースト
クエスト・ニュースペーパー
ウェストエンドのダンディー・ボクシングジムでダンディー・キムにコーチを受ける、カシミヤに住むマイケル・カイリーくん
写真:ポール・ガイ
ボクシング・プログラムは自閉症・アスペルガー児を助け、貴重な日常の稽古になる。
ウェストエンドにあるダンディー・ボクシング&フィットネスジムのプログラムは、基礎を教えつつも、それぞれの子どものニーズに合わせて組まれている。
元ボクシングチャンプ・ダンディー・キムのデザインしたプログラムは、子どもたちがより人と触れ合えるようになるのを助けるのだという。
「多くの自閉的な子ども達は、振る舞いについての課題だけでなく、身体的な課題も抱えている。だからボクシングは、立ち向かったり、アイコンタクトしたり、姿勢や筋肉のバランスや機敏さを修正したりするようなことに役立つんだ。」と、彼は言う。
「もし子ども達が忍者が好きなら、トレーニングは忍者修行、ということにしているよ。」
カイリー・マリーは、彼女の13歳の息子マイケル・カイリーがトレーニングをすることによって、家での暮らしが楽になったという。
「ボクシングは誰かと会うときのためらいを壊したり、悪いことがそう起きることなんて無いと理解するために、本当に役立っているわ。」と、彼女は言う。
スポーツ心理学者のマーセル・ノローニャによると、ボクシングやそれに類する活動は、ありのままの自己を尊重して受け入れる気持ちを高められるという。
写真に写るマイケルくんの眼差し、真剣そのものですね。
実は私も新しいスポーツをしたくなり、昨年からボクシングジムに通っています。これまで格闘技の経験がなかった私ですが、一年やってみて、天気や季節、はたまたちょっとした事件による体調や気持ちの崩れがずいぶん少なくなりました。
人(トレーナー、対戦相手)の動きに合わせて、自分の体をイメージ通りに動かそうとすること。これがてきめん効果があり、反復練習を重ねてできるようになってきたときの感動と自信は、たしかに自閉的な傾向をもつ人々にとってかけがえのないものと思います。
自分を感覚的に変えていくシステムとして、ボクシングも優れたセンサリーデザインのひとつなのかもしれません。