水族館・博物館を100倍楽しめる自閉症児向けアプリ、米・シカゴで登場


センサリーデザイン最前線 第38回

TENTONTO編集長のユミズタキスです。本日はアメリカ・シカゴの水族館・博物館で使える自閉症スペクトラム障害児向けアプリの話題です。

予定外のことが起きてしまうと愚図りがちな自閉症スペクトラムをもつ子どもたち。このアプリでは事前に見て回る順番のスケジュールを立てられたり、そのエリアで知的好奇心を満たしより楽しめるような仕掛けが入っています。abc7chicago.comより、日本語訳にしてお届けします。

http://abc7chicago.com/technology/app-makes-it-easier-for-kids-with-autism-to-enjoy-chicagos-museums/1737671/

自閉症児が博物館をより簡単に楽しめるようにするアプリ―米・シカゴ

2017/2/5

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新しいテクノロジーによって、シカゴの最大の魅力をより味わうことができる。

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この新しいアプリは、自閉症スペクトラム障害をもつ子どもたちの関心を引くのを補助するために、現在いくつかの博物館、そしてシェッド水族館に無料で提供されている。

海の生き物たちの光景や音を全く新しい方法で楽しめる。自閉症の子どもたちのための新しいセンサリーフレンドリー・アプリは、シェッド水族館に出張中だ。

「我々はInfiniteachと協力してシェッド水族館用の、沢山のティップスや仕掛けがあり、家族で訪れた際の何が起きてもいいように支えになる訪問のための準備要素を含むセンサリーフレンドリー・アプリを開発しました。」と、シェッド水族館展示・体験向上シニアディレクターのクリス・ネズビット。

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このアプリでは展示のプレビューを見られ、スケジュールを立てられたり、ゲームで遊ぶこともできる。視聴覚に障害をもつユーザーも利用可能だ。

「文字のサイズを変更可能で、大きく設定するとアプリの様々な箇所に反映されます。さらに視覚に障害のある方向けにTTS(文字読み上げ機能)が搭載されていて、言葉による入力や説明を聞いたりできます。」とInfiniteachの技術部長マーティ・トリズピット。

このアプリはシェッド水族館だけでなく、フィールド自然史博物館とシカゴ子ども博物館でも利用できます。

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ローリー・ヴィエッツとその子どもたちのような人たちのために、この種のテクノロジーは行動とお出かけをより容易にする。

「テクノロジーの活用による沢山の素晴らしいこと、そして機会のために、私たちはシカゴに住んでいます。私たちは自分たちでより簡単に楽しめるような行程を立てる必要があるのですが、これらを体験することがより容易になりました。」とヴィエッツ。

このアプリについての詳細な情報はinfiniteach.com/appsより。

この記事を読んで、ゲーム「ポケットモンスター」シリーズのゲーム内に出てくるポケモン図鑑に非常に似ているなと感じました。私は情報を地図や表などで実際に目で見て確認しないと内容が頭に入ってきにくいLD(学習障害)をもっているので、このアプリは私にとっても非常に有効だと思います。

ちょっとしたアプリですが、外に出かけて楽しく遊ぶ、という自閉症スペクトラム児にとって難しい場合の多い体験に対するセンサリーデザインとして、とても有効なものだと思います。今後の発展に期待です。

ユミズ タキス
 
 
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