米・レストランにて自閉症スペクトラム児向けセンサリーキットの貸出スタート

58791b4ca11dc.image

画像出典元:The American Canyon Eagle 様 http://napavalleyregister.com/eagle/

センサリーデザイン最前線 第39回

こんにちは。今回初めてweb記事を投稿しますTENTONTOメンバーのボル箱です。

今回は、カリフォルニア州ナパのピザ・レストランでの、自閉症スペクトラムの子どもにセンサリー・キットを貸し出す試みをご紹介します。

キットの内容は、聴覚過敏を和らげるイヤー・マフ、圧覚を刺激してリラックスさせる重めのひざかけ、おもちゃといったものですが、この試みがどのようになされたのか、ニュースメディアThe American Canyon Eagle より和訳してお届けします。

http://napavalleyregister.com/eagle/news/local/sensory-kits-help-make-napa-pizza-restaurant-a-more-welcoming/article_e693fe81-8774-50f5-a301-de64e13504b8.html

 

センサリー・キットでカリフォルニア州ナパのピザ・レストランがより居心地のよいお店に

2017/1/25

レストランのお客様にイヤー・マフを提供するのは変に見えるかもしれない。しかし、感覚過敏を持つ人々にとってイヤー・マフは、最高の外食を作るための完璧なレシピだ。

自閉症の一症状である感覚過敏は、レストランで食事をする能力を含む、人生のあらゆる面に影響し得る。

自閉症や感覚過敏を持つ子供の家族にとって、レストランの匂いや騒音は感覚受容体を圧倒し、関係者全員にストレスと不安をもたらすことがある。(訳注:自閉症児がパニックになって大変になるということだろうか)

現在、メアリーズ・ピザ・シャック(訳注:メアリーのピザ小屋の意味)は新しく率先して、自閉症児の家族にインクルーシブで居心地のよい場所を提供している。感覚刺激を和らげる道具を利用できることを知った上で家族が楽しんで食事できる場所だ。

同州サンタ・ローザの非営利団体アノーヴァとこの地方チェーンのピザ・レストランは最近ある実験計画を打ち出した。センサリー・フレンドリー・キットを提供するものだ。

「私たちはこの試みでアノーヴァと協力できることにわくわくしています」とステファニー・バガラは話す。ステファニーはメアリーズ・ピザ・シャックのマーケティングの取締役をしており、20個ある店舗の内1つはナパのジェファーソン通りの3085番地にある。「自閉症や感覚過敏をお持ちのお客様に、自分たちが心地よくいられる場所があるのだと知っていただくことが大切だと考えています」ステファニーは言う。

アノーヴァの共同創始者の一人アンドリュー・ベイリーは、何百人もの自閉症児に教育やセラピーの非営利的サービスを提供している人間として、このように語る。
「私たちは大変多くのご家族が、圧倒してくる難題のために、外食も多くの活動を楽しむことも避けるのを見ています。メアリーズ・ピザ・シャックのようにレストランに備えをさせることで、この状況をひっくり返したいのです。こうした道具は、必要とするご家族のためのストレスフリーな食事の場作りを助けてくれることでしょう。」
 
58791b4bcc25a.image

画像出典元:The American Canyon Eagle 様 http://napavalleyregister.com/eagle/

 
センサリー・フレンドリー・キットは、リクエストすれば食事の間無料で利用することができる。内容物は、騒音を減らすイヤー・マフ、3ポンド(訳注:約1.3キロ)のひざかけ、より落ち着く環境作りを助けるいくつかのおもちゃだ。これらはきれいにすることができ、箱にしまわれている。

同社はこのように説明する。感覚の問題と戦う沢山の人々は、上手に統制されていない感覚神経系を抱えている。当事者の体は、音や匂い、光、その他の感覚のような、こんなにも多過ぎる取り込んだ情報をどう処理すればいいのかわからないのだと。

このキットに含まれているような道具が、自閉症児の脳の、感覚刺激の砲撃を浴びせられている部位を働かせて落ち着かせてくれるという。また、感覚神経系を統制し、不安を減らし、集中力を上げるのを助けるとのことだ。

音を減らすイヤー・マフは26デシベル対応と評価されている。人が話しかけてくるのが聞こえる一方で、背景の大きい騒音を遮断して集中することを助けてくれる。

おもりのついたひざかけは、圧倒されたり落ち着きがなくなったりした気分の時に、緊張を和らげてより落ち着きを与えてくれる。

 
 
イギリスでもアメリカでも、自閉症スペクトラムの人々の感覚過敏に配慮する試みが時々見られる気がします。パッと思い出せないのですが、特定の日だけ音のボリュームや光の強さを和らげる施設もあったような。圧覚を刺激するひざかけは初めて知りました。興味深いですね。

イヤー・マフはよく聞きますね。私の場合ウォークマンのノイズ・キャンセリングイヤホンを使用することがあります。通学の地下鉄や大学のラウンジの騒がしさで地味にMPを削られることがあるのですが、それを防ぐのに便利ですね。読書にも集中できてリラックスできます。

授業間の休み時間をラウンジのベンチとかで過ごす場合は、次の授業に間に合うようバイブアラームを設定した携帯電話を両腿の間に置いています。これで集中し過ぎて遅刻することもないのです。
 

ボル箱
 

【関連記事】
米のレストラン・チャッキーチーズで、センサリーフリーのサービス開始