コラム:バトルツリーの癒し

170403

2週間前の記事に続き、本日は僕、Yutaniのポケモンコラム。今回はADD(注意欠陥障害)当事者として、ポケモンサン/ムーンやりこみ要素『バトルツリー』で遊んでいるときの感覚について、書いてみたいと思う。

編集長タキスが以前、「Lv.1コイル」の記事でご紹介したが、バトルツリーとはゲームのストーリーをクリアした後にのみ行くことができる、ポケモンバトルのための施設。手持ちのポケモンから3匹を選び、トレーナー(コンピューター)との連戦に挑む。10、20、30連勝…と勝利を重ねていく度に、よりどりみどりの景品をゲットできるのだ。

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対戦ゲームというものは、暴力性を併せ持つ性質のものだと思う。例えば、チェス。以前の記事で紹介したイギリスの自閉症当事者活動家/チェスプレイヤーの男性は、「チェスは、自分よりずっと年上の人を知恵で打ち倒すためのチャンス」だと語っていた。僕はチェスの経験は浅いが、編集長タキスと(駒落ちで)対戦して初めて勝利したとき、嬉しさよりもむしろ申し訳なさ、居心地の悪さを強く感じてしまったのを思い出す。

勝利を糧にするには、勝負に勝った後で「気持ちを強くもつこと」が求められると思う。「倒された相手、相手を倒した自分」という事実は、負けた相手にとっては辛く、厳しいもの。それが相手がコンピューターだとしても、自分にとっては大きな問題だ。そして事実を強い気持ちで受け止めることで初めて、勝負の過程で得た知見や、相手を倒したことによる達成感を自分のものとすることができるのだと思う。バトルツリーでの戦いは、勝負を通して得られるそうした感覚を、確かに僕に与えてくれている。

そうすることができているのは、バトルツリーがもつある種の静けさのお陰だと思う。「バトル」という言葉から、激しく、しのぎを削るような戦いを連想する方も多いかもしれないが、トレーナーを倒し、ツリーの上へ上へと歩を進めていく時の感覚は、とても静かで、心を落ち着かせてくれるものだと感じている。

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連戦の節目ごとには、ポケモン過去シリーズのトレーナーがボスキャラとして登場する。グリーンやレッドなど、初代の赤緑ver.で遊んでいた僕にも馴染みのあるキャラクター達とも一戦交えることができ、なんとも嬉しくなる。昨年の12月頃からバトルツリーに挑み続け、そろそろ4ヶ月。「ダブルバトル50連勝」達成のスタンプを獲得することが、当分の目標だ。
 

Yutani