ノッティンガムのサッカー場に英国内で2番目となるセンサリールームが開設

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画像出典元:BBC 様 http://www.bbc.com/

センサリーデザイン最前線 第27回

こんにちは、編集長のユミズタキスです。本日はBBCのwebサイトより、自閉症スペクトラム者へ向けたイギリスにおける支援のニュースを和訳でお届けします。

イギリスでは今年に入ってから、センサリールームをサッカー場に設置する取り組みが始まっています。ノッティンガムシャー州のノッツ・カウンティFCは今月の初め、自閉症者が観戦するための特別な部屋をサッカー場に設けました。
 
http://www.bbc.com/news/uk-england-nottinghamshire-37268496
 

ノッツ・カウンティは、自閉症のファンのためにセンサリー・スイーツを開設する

2016/9/3 ノッティンガム

 
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ノッツ・カウンティ・グラウンドのセンサリー・スイーツは、ソフトなプレイエリアとひかえめな照明を備えている

 
ノッツ・カウンティFCの4つのエグゼクティブ・スイーツは、自閉症をもつファンの快適な観戦のために開設された。

サッカー場での騒音は、自閉症をもつファンがゲームを観戦しにいくのを妨げている、と、ノッツ・カウンティ代表のLes Bradd。

イギリスではサンダーランドに続いて、自閉症のファンのためのセンサリー設備のオープンに貢献した2番目のクラブだ。

部屋にはソフトトイ、バブルチューブ、イヤーディフェンダーが備えられている。

クラブはAutism East Midlands監修のもと部屋を完成させた。そしてAutism Charterに基づき、将来より自閉症者に親しんでもらえる組織を目指す。

自閉症の娘をもつノッツ・カウンティの競技場整備の責任者Trevor Hutchinsonは、うち3部屋分を用意するために何週間も整備クルーを働かせたという。

「(自閉症をもつ)子どもたちが、安全で、リラックスできる静かな環境でサッカーを観戦できるチャンスなのです。」

 
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4つのエクゼクティブ・スイーツは、自閉症をもつファンのために「安全でリラックスできる環境」としてつくられた。

 
「こうした子どもたちは、この部屋が利用できなければ、それがかなわなかったのです。」

「99%の親は、試合を観戦しにいく機会を得られていませんでした。そこに悪夢があることを知っていたからです―子どもたちが階段から落ちたり、他の人のドリンクをはたき落とたりするかもしれないと心配して。」

クラブのスコアリングリーダーを常時務めるBradd氏は:「これは大きな一歩です―騒音や従来の座席に対処できないといった理由で、今まで試合に来られなかったさまざまなタイプのファンを会場に招くことができるのです。」

 
このコーナーの第17回でお伝えしたASD者向けの映画鑑賞デーのニュースをはじめ、イギリス、アメリカの両国では公共サービスの文脈でセンサリーデザインによる自閉症者支援が活発になっています。日本でもこうした活動が始まっていくことを期待しています。

記事の中にも出てきた、ノッツ・カウンティのセンサリールームについては、こちらの公式動画をご覧ください。施設の必要性を感じさせてくれる映像となっています。


 
 
 
 
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ユミズ タキス
真面目系クズこと、ゲーム大好き当誌編集長。
スポーツの試合観戦も、胸が熱くなるので好き。
電車でも暇なときは具志堅用高のKO集をよくみる。
野球・サッカーは試合よりも珍プレー集が楽しい。
 
 
 

~こちらは2016/09/24公開の記事の再掲載です~