WEAR SPACEで映画鑑賞体験―発達障害当事者レビュー
画像出典元:WEAR SPACE 公式サイト https://wearspace.info/
TENTONTO編集長のユミズです。パナソニック アプライアンス社FUTURE LIFE FACTORYとTENTONTOとで行われた無償ボランティアによるコラボレーション企画、その第2弾が本日公開となりましたのでお知らせいたします。(第1弾はこちら→FUTURE LIFE FACTORY by Panasonic Design × TENTONTO 「WEAR SPACE」体験会を行ないました)
WEAR SPACEを使用した映画鑑賞「センサリーフレンドリー上映会」を実施しました – WEAR SPACE 公式サイト
パナソニックの先進的なプロダクト開発をおこなうチームによって作られた、センサリーなウェアラブルデバイス「WEAR SPACE」。視覚、聴覚の感覚刺激を調節する機能をもつこのプロダクトを、発達障害当事者が困難を抱えやすい映画館での鑑賞というシチュエーションで使用する試みを行いました。TENTONTOからは2名が参加、実際に使用して得た体感を開発チームにお伝えしました。
以下にメンバー2名の「WEAR SPACE」使用体験の詳細をお伝えします。
赤いニンジン
今回映画をWEAR SPACEを着用しながら鑑賞したが、ノイズキャンセルで音量全体を下げることができ、また主にBGMの音が減りセリフに集中できることがわかった。プロトタイプでは3段階のノイズキャンセルを選べたが、そのうち最大限のもので、十分セリフを聞き取ることができた。今回は字幕だったが、それでも言葉の抑揚がわかりやすくなり、感情などに注意しやすくなるのを感じた。
当初映画館では、視覚的ノイズが少ないため効果が薄いかも知れないと思ったパーテーションも、隣の席を全く意識できなくなるので没入感向上に役立つと実感した。ヘッドレストとパーテーションの後部の干渉はあるが、少しぶつかるくらいでは装着位置がずれることはなかった。
また、今回他の鑑賞者に配慮して、最後部座席での鑑賞になったが、もし自分の前の席にWEAR SPACEを着用した人がいたとしても、おおむね耳程度の高さまでしかパーテーションはないので、鑑賞の妨げにはなりにくいと思われた。最前列近くでの使用の場合は、スクリーンをパーテーションで遮ってしまう可能性もあり得るので、その点だけは使用前に確認が必要そうだ。
音量や照度に配慮したセンサリーフレンドリー上映会というのも、このところ行われるようになってきているが、どの感覚が過敏で、また鈍感であるのかというのは、それぞれ大きく異なっているので、個別に音量を設定できるこのような器具が用意できれば助かる人も多いと思われる。
TEHO
普段から特に不便なく映画館での映画鑑賞を楽しんでいる自分からすると、wearspaceを装着することで逆に何らかの支障が生じるのではという漠然とした不安があったが、長時間の装着で耳のあたりが痛くなることを除けば、思いのほかすんなりと映画鑑賞を楽しめた
今回私の隣に座ったある一人の男性客の方から、上映中にかなりの頻度で身動きして物音を立てているような気配を感じたが、パーティションのため視界からスクリーン以外がシャットアウトされていたことと、ノイズキャンセリングの効果によってある程度雑音が軽減されていたことを実感出来たので、あるいはむしろ非装着時に比べて快適に映画を観ることができたのではないかと思う
画像出典元:WEAR SPACE 公式サイト https://wearspace.info/
インターネットを通して、世界で大きな反響を呼んだこのデバイス。作業効率向上という機能としての用途に加え、感覚刺激による苦痛を減らしリラックスするための機器としても注目が集まっています。
「WEAR SPACE」は現在クラウドファンディング中。残り19日間で111台の購入支援があれば達成となり、商品化に向けた製品の開発がスタートします。オール・オア・ナッシング方式で支援が達成しない場合この条件下での企画はストップ、入手が難しくなってしまうとのことですので、ご興味のある方はおはやめに支援されてみてはいかがでしょうか。
「WEAR SPACE」クラウドファンディングサイト
この企画でTENTONTOメンバー2名が鑑賞した、自閉症スペクトラム者家族も取り上げられているドキュメンタリー映画「いろとりどりの家族」のレビューについては、次のこちらの記事をご覧ください→映画「いろとりどりの親子」レビュー・センサリーフレンドリー上映開催中です
ユミズタキス
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