プチサピエンス:かんしゃくを鎮めるコツ2

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テントント先輩のプチサピエンス 第6回

先輩タキス(画像左、以下タ):ごんにぢば。ごのゴーナーでば、テントントざんの暮らじに役立づぢょっどじだ知恵=プヂザビエンズを紹介じでいまず。

後輩るうが(画像右、以下る):今日もよろしくおねがいします。あれ、センパイ声がすごく枯れてるよ?

タ:失礼。心身ともに体調がすぐれなくなりがちな5月に備えて始まった今回の特別企画だけど(前回参照)、昨日の夜から喉が痛くなって、5月に入って早々風邪を引いてしまったよ。今年は引っ越しして初めての春で、自分の部屋の気温・湿度の変化に慣れてないから、それに合わせて服をうまく脱ぎ着できなかったことが原因だと思う。

る:センパイの場合そゆとこが鈍感だから体調崩すんだね。

タ:微妙な気温の変化がいまいち読み取れないから、体調管理しようにもけっこう調子が悪くなるまで気がつかないからね。仕事に集中してると余計気がつかない。なんにせよ、状況に応じて変わることは私にとって難しいよ。

る:今日はなるべくやるから任せて。はい台本貸して。えっと、今回も前回に引き続き、MyAspergersChild.comの『アスペルガーの子どもの落ち着かせ方:親のための50のコツ(How to Calm an Aspergers Child: 50 Tips for Parents)』から、テントントさんがリラックスしたり、させたりする方法をご紹介します!

タ:ありがとうるうがちゃん。

る:11.アスペルガーの子どもはてんてこ舞いの環境で落ち着きを保つことが難しいから、散らかっているものを片付けて、アスペルガーの子どもの感覚のオーバーロードを取り除く『より少なく』の手法を取ろう。ベッドルームは特に大事。プラスチックの容れ物で細かな『大事なもの』を分別してしまいこもう。カーテンを開けて自然光を取り入れよう。ポスターなどは最小限にしよう。寝室は落ち着いたミュートカラーの色合いに塗り替えよう。

タ:個室におけるセンサリーデザインで大事なことばかり書いてあるね。TENTONTOno.2では、高機能自閉症のテントントさん向けに私達が作った、センサリーテントのあるお部屋を特集しているよ(その1その2その3)。

る:ミュートカラーっていうのは、ギラギラしてない落ち着いた色合いの色のことだよね。んとんとちゃんのミュートカラー壁紙、私も自分のiPhoneに設定してる。へへ。

る:12.アスペルガーの子どもにウェイテッドベルト(おもりの入った腰巻き:)を着せよう。このセラピー用の装置は、動揺した子どもに自分がいる感覚を意識させ、自分の体や周囲に気を配らせる効果がある。バランス感覚や運動能力も助ける。圧迫刺激は子どもの感覚を動揺状態から回復させる効果がある。

る:スポーツ用のウエイトベストでも代用できるかも。でもやっぱりスナッグベストがかっこいいなあ!ほし~。

る:13.動揺した子がビーンバッグチェア(ビーズクッションソファ)に座ることを許そう。その抱きしめられるような感覚は、親のハグでは動揺させすぎる場合、リラックスの助けになる。

る:14.子どものお風呂遊びや砂場遊びを許そう。動揺した子どもには様々な触覚刺激が落ち着く効果を生む。

タ:いい感じに遊び疲れて、よく眠れそうだね。

る:15.お菓子食べちゃダメ、テレビ見ちゃダメ、寝なくちゃダメ、などに腹を立てている場合、厳しくせず、丁寧に、愛情深く、その理由を説こう。もし彼らなりのやり方があるなら、それを尋ねよう。あと30分だけ起きてたい!と言われたら、10分ならいいよと取引して、短いお話を読んであげるなどして寝かしつけよう。それでもごねたら、寝なければならないと言い、その理由を説こう。

タ:言い方の問題ってことだね。前回紹介した7.にもあったけれど、否定する語を避けて取引を重ねていくことが大事なんだ。交渉術に近いね。

る:16.自制心を持とう。カッとなって子どもを叩く習慣があるなら、あなたはより建設的に自分のイライラを表現する必要がある。

る:17.可能ならリラクゼーションスペースを家に設けよう。広いスペースでなくてもよいけれど、人通りの多いところから離れている必要あり。この部屋の一角(または押入れの一角)にはビーンバッグチェア(ビーズクッション)と何冊かの本かぬり絵などの静かにできるものを置こう。子どもが怒ったり混乱したとき、そこに行くことを勧めよう、でも絶対に罰の場所としてはダメ。この家の中の特別な場所は気分転換のためのポジティブな場所。

タ:イギリスのノリッチ市立大学では、こんなふうにリラックスのできる特別な教室を作ったんだよ(センサリーデザインとは? 第7回:ASDでも居心地の良い学校空間参照)。

る:18.おもちゃが壊れたせいで動揺しているなら、見せてもらってもいい?と尋ねて、直そう。

タ:簡単に壊れるようなおもちゃは”卑劣な”おもちゃだと思います!楽しい遊びの気持ちを砕きますし、危ないですし、トラブルの種になるので、特に小さい子には避けてあげて下さいね。

る:わっ、きゅうに言葉が強くなった。センパイのこだわりポイントなんだろな。

る:19.アスペルガーの子どもはルーチン、一貫性、構造のある家庭でうまくいく。特に環境がしっかりしていると感じられるよう、構造とスケジュールを必要とする。ルーチンの”ミリタリーな”手法はうまくいきます。起きる、食べる、宿題する、寝る、全てのことを毎日同じ時間にできるようにしよう。

る:『シンプル・シモン』のシモンくんみたい。

タ:なぜミリタリーな要素が必要かって言うと、それだけマルチタスクが起こる状況を減らさないと上手く出来ないせいで心が落ち着かない障害だから、の一言に尽きるんだよね。家で心が落ち着けないならどこで休めばいいの?になっちゃうから、単なるわがままとは切り離して受け入れてあげて欲しいな。

る:これで今回は最後だね。20.かんしゃくに代わるものを与えよう。その子が自分がパニックになっていると気づいたときか、あなたがそれに気がついたとき、別のことをしようと勧めよう。少し気を散らせることで、その子の落ち着くことの手助けができる。

る:センパイおつかれさま。今日の分終わったよ。頭はまあまあ回っているみたいだけど、いつもよりしんなりしてるよ。

タ:心配してくれてありがとう。ん‥?なにこれ、コンニャク?くれるの?

タ:冷えピタみたいに額に乗せて使うの?う、うん、ありがとうね。(というかコンニャクいつも持ち歩いてるの…)

る:次回もよろしくね。

ユミズ タキス