no.3後日談:あすぺるうが
TENTONTOno.3後日談 第2回
ASD & ADHD MAGAZINE TENTONTO 編集長のユミズ タキスです。
発達障害当事者のもつ感覚の違いを伝えるフリーペーパーTENTONTO。前号no.3発刊から2ヶ月が経ち、現在最新号へ向けて準備を進めています。このコーナーでは、各記事の担当者がno.3制作時の思いを綴ります。第2回の今回は『あすぺるうが』徹底攻略を作成した、私タキスが担当します。
私はASD(アスペルガー)とADHDという、2つの発達障害の当事者です。また、ASD者の多くが抱える感覚過敏・鈍麻と、それ由来の強迫性障害(OCD)という二次障害を抱えて、日々生活しています。
他者の体が不意に私の体へ接触する、つまり人とぶつかること。これは私の多くの人との感覚の違いゆえに、やむなく大きな苦痛を感じてしまう場面のひとつです。都市部に住む私は家を一歩出てから戻ってくるまで、常にそうならないよう気を張っています。
定型発達者のテントントメンバー原が、そんな私の様子を興味深そうに眺め、ふと「その感覚をゲームにして体感してもらえるようにしたら、気持ちがわかるかも」という案を出してくれました。
ゲームが大好きな私たちはその日のうちに案を固め、イラストの殆どと全てのサウンドを原が作成してくれました。私ははじめてのゲームプログラミングでしたが、DXRubyという素敵なライブラリを見つけ、楽しく完成させられました。
短いゲームの中で、ASD者特有の感覚の違いに悩む人たちの気持ちを全て表現することは叶いませんでしたが、それでも、感覚の違いを持って暮らす人(例えば私)がいること、そのような人からみた世界があること、を伝えるものにはなったと自負しています。
TENTONTOno.3の記事では、ゲーム紹介雑誌・攻略本風の構成で気軽に読んでいただける記事を目指しました。大好きで何度も読み返していた紙面を思い出して、勇気づけられながら紹介記事を執筆できました。
まだ未プレイの方はこちらよりダウンロードして、ぜひ遊んでみてください。私の感覚の違いを体験されることで、考えを深めるきっかけになりましたら幸いです。