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【レポート】川崎市 商業施設における「クワイエットアワー」の取り組み(イオンスタイル新百合ヶ丘)

店頭看板
イオンスタイル新百合ヶ丘1F入り口に掲示されていた看板

ライターの青いロクです。2019年7月28日(日)朝9時から10時の間、神奈川県川崎市麻生区 新百合ヶ丘駅前にある総合スーパー イオンスタイル新百合ヶ丘1F 食品・日用品売り場において、日本で初めての「クワイエットアワー」が実施されました。これを実際見てまいりましたので、様子を紹介します。

クワイエットアワーについては、日本初・川崎市のショッピングモールで「クワイエットアワー」を実施にて概要を述べた通りですが、音や光を減じて、感覚過敏当事者が買い物しやすい時間帯をつくる取り組みで、海外事例では来客が1割増えた実績もあります(NHKウェブサイト)。

朝9時から10時で実施とのことでしたが、8時50分ごろに現地に着いたところ、すでに消灯やBGM停止が実施されているところでした。
なお、写真撮影については、イベント担当者に確認したところ来客のプライバシーに配慮すれば問題なく可能とのことでした。

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Jリーグ川崎フロンターレ、等々力競技場にセンサリールームを設置

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画像出典元:BBC http://www.bbc.com/

※画像はイギリス・ノッティンガムのセンサリールームになります

今朝のNHKおはよう日本の放送にて、Jリーグ川崎フロンターレの等々力競技場に自閉症スペクトラム・感覚過敏児向けの施設「センサリールーム」が設置される最新ニュースが報道されました。共生社会ホストタウン川崎の大きな試みです。

感覚過敏の子どもたちを競技場へ|けさのクローズアップ|NHK おはよう日本

ASD & ADHD Magazine TENTONTOでは、世界のセンサリールームの事例、そしてセンサリールームをつくるための根拠になっている考え方、センサリーデザインについてご紹介してきました。こちらもあわせてご覧ください。→タグ:センサリールーム
 
 
【関連記事】
センサリーデザインとは?
センサリーデザイン最前線
 
 
ユミズタキス

TOTO、発達障害者が公共トイレで困ることを調査

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画像出典元:UD Style https://jp.toto.com/ud/

TOTO株式会社のユニバーサルデザインについての特設サイト「UD Style」において、発達障害当事者や保護者が公共のトイレを利用する際に戸惑うことについて、課題と解決策を伺う座談会形式のコラムが掲載されています。

座談会企画:発達障がいを“手がかり”として、すべての人に使いやすいトイレを考える | UD Style TOTOのユニバーサルデザイン | TOTO
 

座談会では、国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園」の日詰正文氏、一般社団法人日本発達障害ネットワーク(JDDnet) 元事務局長の橋口亜希子氏が、インタビュアーからの質問に答える形式です。

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センサリーエッセー:こころの程度問題、どこから考える?

 
社会に生きる上での障害は程度問題なのだから、精神障害のひとつである発達障害も程度問題である。ただ精神がどんなものであるか、まだあまりわかっていない時代だからこそ、この程度問題は難しい。

研究者は今必死に研究しているし、社会の構成員も理解しようとしている。しかしまだ時間がかかる。だから発達障害に関することは、さっと解決してスッキリできないことである。つまり、苦渋である。

その本質から外れていない提案には実がある。センサリーデザインは感覚の程度問題を扱い、試みる。

耳元で羽虫が飛べば不快。例えばそんな感覚における個々人の程度問題を実際に捉えようとすること。そこから得られたものを基に設計を行ない、そのひとの「正常」を創る。そこから始めていくというアイデア。

それがセンサリーデザイン。
 
 
ユミズタキス

『自閉症という知性』レビュー2

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画像出典元:NHK出版 https://www.nhk-book.co.jp/

こんばんは。編集長のmarfです。この度、センサリーデザイン最前線第40回第50回でご紹介した池上英子教授のご厚意により、2019年3月11日に発売となった『自閉症という知性』(NHK出版新書 580)をご献本いただきました。

池上教授が4人の自閉症スペクトラム当事者との交流を経て書かれた本作。TENTONTOでは数回に分けて、本書籍のレビューをお届けします。前回に引き続き、ユミズがレビューします。
 
 
『自閉症という知性』レビュー
文:ユミズタキス

・第1章を読んで
NHK「自閉症アバターの世界」でも取り上げられた、セカンドライフ上で自己実現を図るラレさんに迫る。ゲームをつくったりするぼくからすれば、ラレさんのやっていることをゲームにして、お金を払って誰もが楽しめるようになればいいのに、と思うけれど、ラレさんはどう考えるのだろうか。

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『自閉症という知性』レビュー

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画像出典元:NHK出版 https://www.nhk-book.co.jp/

こんばんは。編集長のmarfです。この度、センサリーデザイン最前線第40回第50回でご紹介した池上英子教授のご厚意により、2019年3月11日に発売となった『自閉症という知性』(NHK出版新書 580)をご献本いただきました。

池上教授が4人の自閉症当事者との交流を経て書かれた本作。TENTONTOでは数回に分けて、本書籍のレビューをお届けします。
 
 
『自閉症という知性』レビュー
文:ユミズタキス

・ぱっと読んでみて
ぼくも本書で語られている当事者らと同じく、経済的に有利になる機会を度々放棄してまで、自身の肉体と精神を組み替えるような奇妙な術を時間をかけて開発してきた。この推理と試験を重ねて作られた痛ましいノウハウの数々は、多くの人からみて快適さからかけ離れた見栄えをしていると知っている。だから口外を避ける。

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センサリーを聴く:Letherette – ‘SAE’

Letherette

発達障害という精神の障害。趣味嗜好の偏りや強迫性、感覚の過敏がみられることも多い当事者の思考回路に、もし非当事者がダイブできるのなら。その特異な精神世界を伝えるような芸術表現を探すコーナー

明滅。回転。残響音。光に対する感受性。

ユミズタキス

【関連記事】
センサリーを聴く:Without You | Danny L Harle | Sugary Pop Music Video By Kim Laughton | RANDOM ACTS

Flying Lotus – And the World Laughs With You [feat. Thom Yorke]

Laugh and the world laughs with you, weep and you weep alone. なおざりにされることの多い感覚過敏の問題を、ハードウェア・ソフトウェア両面で解決を試みる画期的なデバイス「WEAR SPACE」。クラウドファンディング成功の日の喜びに、テントントさんへ贈りたいナンバー。

ユミズタキス

WEAR SPACEで映画鑑賞体験―発達障害当事者レビュー

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画像出典元:WEAR SPACE 公式サイト https://wearspace.info/

TENTONTO編集長のユミズです。パナソニック アプライアンス社FUTURE LIFE FACTORYとTENTONTOとで行われた無償ボランティアによるコラボレーション企画、その第2弾が本日公開となりましたのでお知らせいたします。(第1弾はこちら→FUTURE LIFE FACTORY by Panasonic Design × TENTONTO 「WEAR SPACE」体験会を行ないました
 
 
WEAR SPACEを使用した映画鑑賞「センサリーフレンドリー上映会」を実施しました – WEAR SPACE 公式サイト
 
 
パナソニックの先進的なプロダクト開発をおこなうチームによって作られた、センサリーなウェアラブルデバイス「WEAR SPACE」。視覚、聴覚の感覚刺激を調節する機能をもつこのプロダクトを、発達障害当事者が困難を抱えやすい映画館での鑑賞というシチュエーションで使用する試みを行いました。TENTONTOからは2名が参加、実際に使用して得た体感を開発チームにお伝えしました。

以下にメンバー2名の「WEAR SPACE」使用体験の詳細をお伝えします。

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集中できない障害―ADHD・発達障害の困難と、大きな反響を呼ぶパナソニック発の最新デバイス「WEAR SPACE」

IT総合情報ポータルITmediaによるITmedia NEWS TVの本日のライブ配信にて、パナソニック株式会社アプライアンス社、株式会社Shiftall両社によるWEAR SPACE projectメンバーが出演し、クラウドファンディング中のウェアラブルデバイス「WEAR SPACE」についてのインタビューが行われました。その中でADHD、発達障害および当団体TENTONTOについてのコメントがありました。29:15より。(以下敬称略)

松尾公也(NEWS編集部):ユーザーからのリクエストとして一番多いものってどういうことですか?

甲斐祐樹(Shiftall 執行役員):機能というよりは、これを出すときにはある程度想定はしていたそうなんですが、意外にその、ADHDとかの方からすごく反響があって、発達障害、

松尾:集中したいから?

甲斐:集中というよりもその、周りに人がいると緊張してしまうとか、人のその雑音とか人の足音が気になって作業に集中できないっていうのが結構あるみたいで。

それで一度、このクラウドファンディングを発表のときにもそういう動画を作ったんですけれども。ADHDとかで悩んでいる方々、TENTONTOさんという活動団体がありまして。そこの方々に実際装着していただいて、実際作業してみて、便利ですかみたいなところをご意見いただいたらすごく好評で。ぜひ製品化してくださいとすごい熱い応援を頂いているので。

実際に発表してみても、クラウドファンディングのページとか見てても、やっぱり同じような声は結構頂いているので。

足立昭博(パナソニック アプライアンスデザインセンター FUTURE LIFE FACTORY デザイナー):これをやるまで知らなかったんですけど、やっぱり発達障害というかADHDで悩んでる方って結構多いって聞いていて。経営者の方にも実は普通にADHDっていうことを公言されてる方もいらっしゃったりしていて。

なので、最初は僕のすごく個人的な要望から開発スタートしたプロダクトだったんですけど、実はそういったものが世の中の色んな社会課題とかを解決するんだな、ってことがわかってきて面白いなと思ったりしています。

松尾:今、ノイジーな社会ですもんね。音は色んなところで出るし、目に触れるものもこう色々、集中を妨げるばかりだし。

足立:発達障害の方だと、例えばスーパーの生鮮食品コーナーとかに行ったときに、冷蔵庫の音とかが音階に聞こえてしまって耐えられないとか。

甲斐:音の感覚に過敏な人ですね。

足立:そういう方もいらっしゃったりしていて。結構大変な問題なんだなということが本当にわかってきました。

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