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お別れをしようよ

 駅ですれ違う学生の動きがいつもより規則正しくないと思ったら、もう三月に入っていました。すっかり季節は春に向かっています。

 そういえば私も学生のとき、この時期は年度の終わりが来たと毎日どこかで感じていました。春休みになったら会えなくなる人もいるので、クラスメイトや先生の誰かしらとのお別れがあったからです。こう言ってみると、まるで私が情に厚く、下手すると毎日泣いていたように聞こえるかもしれません。しかし実際のところ、別れを惜しんだり、記念の何かを残したりといったことには消極的でした。大抵いつも通りの振る舞いを再現するので精いっぱい、お別れだということを考えないようにすることに集中していました。ばたばたした三月をやり過ごせば、四月が来ます。新しい学年になって、また一年の繰り返しだから大丈夫、と、思い込もうとしていました。

 当時は気付きませんでしたが、ASC(自閉症スペクトラム症状)を持っている私にとって、環境や人間関係の変化というのはかなり大きな負荷だったはずです。でも、一年ごとにプログラムに沿ってぐるぐると学年を上がって来られた学校生活は、「規則正しかった」からこそ乗り切れたのだろうと、今になって思います。クラスや先生、通う学校が変わったりと大きな変化に遭っても、馴らされた生活リズムのおかげで痛みを減らせていたのでしょう。

 私が学生でなくなって随分経ちます。あるとき職場の方から「明日で会うのが最後だから、お別れをしようよ」と言われたことがあります。あまりに真っ直ぐだったので私は面食らってしまいました。よくわからないままの咄嗟の対応が合っていたのか自信がありません。しかし、目を見て二、三言交わしただけだったのに意外と記憶に残っています。失ったり変わったことに心を揺さぶられても、そうした「お別れの記憶」をきちんと留めておけたら、つらい変化を乗り越えられるものなのかもしれません。

 ただでさえ、些細なことでも乱されてしまいがちな私の日常。私にとってあの「お別れをしようよ」は、絶妙なバランスを保ちながら日常を続けていくために大切なものだったのだと思います。

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Dinah #38 「ダイナ、文房具店へ行く」

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TENTONTOエンタメ部 第51回

こんばんは。TENTONTOメンバーのYutaniです。

アスペ(aspie)恐竜の女の子・ダイナが活躍するイギリス発のWEBコミック「Dinah the aspie dinosaur」。世界中のポップカルチャー×テントントさんをご紹介するTENTONTOエンタメ部のコーナーでは、作者のクロエ・アスパー(Dinah)さん公認のもと、「ダイナ」の日本語訳バージョンを毎週お届けしています。昨年11月に実施したクロエさんへのインタビュー完全版も、日本語版英語版共にweb公開中。ぜひご覧ください。

文房具屋さんにやって来たダイナ。品揃え豊富なお店で、ついつい楽しくなっているようです。文房具はいろんな種類やサイズ、色があって、お店の棚を眺めているだけでも楽しいですよね。一方で、目的に合った「ちょうど良い」文房具を手に入れるのって、なかなか難しいものです。

さて、ダイナが買いにきたのは小さなシート。「ちょうど良い」ものはあるでしょうか…?

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テントント通信㊸

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marf 作

アスペル・シアター:Worst Fear

今回もBuzzFeedより、自閉症者のドローイング画集『Drawing Autism』を特集した以下の記事から1枚を紹介。アスペルガーをもつ女性、マリリン・コーショーによる、彼女の内面を描くコラージュ作品。彼女はコラージュのほか、ドローイング、写真、クラフト作品を展開している。

http://www.buzzfeed.com/alanwhite/13-extraordinary-pictures-by-autistic-artists#.nf8G8aqRB3

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米・アイダホ州 音楽を通じて生まれるコミュニティ

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画像出典元:magicvalley.com 様 http://magicvalley.com

テントントさんがやってみたコト 第19回

こんにちは、TENTONTOメンバーのmarfです。
本日はアメリカ、アイダホ州のニュースサイト、MAGICVALLEY.COMより、ギターショップを営むマーカス・ミークさんをご紹介します。

マーカスさんは自身のギターショップで何らかのトラブルを抱えた子ども達に向け、無料の音楽教室を開いています。音楽の力を借りて周囲の環境との調和を図る一連のプログラムは、アスペルガーを抱える子どもにも良い指針を示してくれるようです。

Strings and Things: Burley Guitarist Mentors through Music(2016.02.15)

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TENTONTOno.5発行前情報②

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ASD & ADHD MAGAZINE TENTONTO 代表のユミズ タキスです。このコーナーでは数回に分けて、現在制作中のフリーペーパーTENTONTOno.5の内容について少しずつご紹介していきます(前回はこちら)。

本日はTENTONTOno.5のティーザー画像を発表!な、なんと、TENTONTO公式キャラクター、んとんとちゃんぎゅぎゅちゃん、ふぁっふぁちゃんが、コーデチェンジでチーム結成?!

こちらをクリックで拡大

TENTONTOno.5は2016年3月末頃の発行予定となります。乞うご期待下さい!

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冊子TENTONTOは、発達障害の当事者、または関係者のボランティアメンバーが集まって、生まれ持った感覚の違いゆえの困難があること、それを解決する未来をつくるデザイン、センサリーデザインについてお伝えしているフリーペーパーです。

毎号みなさまより、印刷費用のご協力を募集しております。最新号につきましても、みなさまのご協力を心よりお待ちしております。ご協賛は一口1,500円よりご応募いただけます。ご協賛についての詳細は、こちらをご覧ください。

ドット絵を熱く語ってみた【ASD&ADHD的マイクラちゃんねる!#31】

こんにちは!TENTONTOメンバーのYutaniです。

「感覚の違い」とセンサリーデザインを伝えるフリーペーパー(ZINE)&webマガジン・TENTONTOがお送りする、ASD&ADHD的マイクラちゃんねる!

今週はおまけのトーク動画を配信。
ブロックでドット絵を再現したり、スキンを自分でデザインしたりと、【ドット絵的な遊び方】を存分に楽しめるマイクラ。編集長タキス(レオナ)が、そんなドット絵の魅力を熱く語ってみました。

前回・前々回の動画のご視聴・高評価ありがとうございます!ただいま、フリーペーパーTENTONTOno.5を鋭意制作中です。テーマは「パンク」。マイクラやプリパラに関する記事も盛りだくさんの内容となっていますので、どうぞお楽しみに!

動画は↓でご覧いただけます。

ドット絵を熱く語ってみた【ASD&ADHD的マイクラちゃんねる!#31】 https://www.youtube.com/watch?v=mhHnKH9ZvMg

「マイクラちゃんねる」へのご意見・ご感想をお待ちしています。この記事やYouTubeのコメント欄、Twitterなどからお気軽にどうぞ!

【関連記事】…晴れのち雨の日のテントン会inアキパパラ http://tentonto.jp/?p=8552

アスペル電波傍受:レゴで手動式コーヒーミルを電動化した。 A manual coffee mill was motorized using Lego.

むにむに教授

ユミズ タキス

Dinah #37「ダイナとトイレ」

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TENTONTOエンタメ部 第50回

こんばんは。TENTONTOメンバーのYutaniです。

アスペ(aspie)恐竜の女の子・ダイナが活躍するイギリス発のWEBコミック「Dinah the aspie dinosaur」。世界中のポップカルチャー×テントントさんをご紹介するTENTONTOエンタメ部のコーナーでは、作者のクロエ・アスパー(Dinah)さん公認のもと、「ダイナ」の日本語訳バージョンを毎週お届けしています。昨年11月に実施したクロエさんへのインタビュー完全版も、日本語版英語版共にweb公開中。ぜひご覧ください。

トイレへ向かっているダイナ。なぜだかわかりませんが、ご機嫌な様子です。どうやら彼女の目的は、用を足すことだけではないようで…?

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英・グラスゴーの美大生、手書きアニメで自閉症を紹介

テントントさんがやってみたコト 第18回

本日は、イギリスのスコットランドにあるシティ・オブ・グラスゴー・カレッジでコンピュータアート・デザインを学ぶリンセイ・ホッジさんの作品をご紹介。

「セルフポートレートアニメ:私の自閉症」と題したこの作品の作者、リンセイ・ホッジさんは高機能自閉症を持っています。作品の中で彼女は、一見してそれとは気付かれにくい高機能自閉症ゆえの特徴を、実例を挙げながら説明しています。動画にでてくる英語を和訳してみました。

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