「誰しも同じように、人にいえないことがある。」人という知的生命体に神秘を感じたいからか、自分の普通ではないトクベツな気持ちを代弁したいエゴイズムなのか、そんな言葉を感想に添えられる。感覚の違いについて独白した際に、その応対としてこの言葉を伝えられることが、私にはままあります。
「勉強しかできない奴はダメ」「テストの成績はよくても、仕事できない奴はダメなんだよ」。職場や学校で、こんなフレーズを言ったり言われたりしたことのある方、けっこういるのではないだろうか。
僕も中学生の頃に言われたことがある。当時所属していた球技の部活動の練習をしていたときのことだった。すごく驚いて、悲しい気分になったのをよく覚えている。自分がとても理不尽な扱いを受けているように感じてしまったのだ。
「勉強できるけど仕事できない」でGoogle検索してみたら、なんと100万件以上のページがヒットした。もちろん全部が全部このフレーズに関わるものじゃないだろうけど、「勉強できるけど仕事できない」問題は多くの人にとって深刻なものみたいだ。なんだか心に引っ掛かるこの言葉。一体なにが気になるのか。ちょっと整理してみたので、お付き合いいただきたい。
テレビゲームが好きな人は、「裏ワザ」という言葉をご存知だろう。説明書やプレイ画面には明確に示されていないけれど、ふとしたきっかけで手に入る便利なアイテムや、自分のステータスを強化できる隠し要素のことだ。
世の中には「裏ワザ」がたくさんあると思う。つまり、「明文化されていたり、誰かがキチンと教えてくれたりする訳ではないけれど、それを知っていると生活が便利になったり、むしろ知らないとものすごく不便なこと」。いわゆる不文律と言い換えても良いだろう。
僕にとってのそれは、コンビニやビデオ店のポイントカードだった。なぜか。まず、ポイントという概念がよくわからなかった。景品と交換できたり、お金として使えたり。溜めたポイントがどう使えるかはお店によって違う。後者の場合、払ったお金(円)が何ポイントになって返ってくるかというルールも決まっていたりする。還元率というやつだ。最近ではクレジット機能が加わった「便利な」ポイントカードが増えているけれど、カードごとに登録している口座が違ったりするととてもヤヤコシイ。「ヤヤコシイこと」がねずみ算式に増えてきている気がする。
これまでの記事でも、発達障害由来の生まれつきの感覚のずれについてお伝えしてきました。このずれから生じる問題を解決するデザインがセンサリーデザインです。本日は発達障害の当事者のひとりとして、そのずれについて少し掘り下げてみたいと思います。
私達が挙げる感覚のずれの中でも大きなもののひとつに、専門的には感覚処理障害(SPD)や感覚統合障害(SID)と呼ばれている、自閉症スペクトラム障害(ASD)と併発しやすい困難があります。感覚が過敏すぎたり、鈍感すぎたりするせいで、気持ちが逆立って落ち着かなくなり、イライラしたり、落ち込んだりします。例えば昨日の夜、私は服のタグや縫い目が気になり何度も着替えたり、いつもは好きなサンマの煮汁がとても不快に感じられて汚いものをいじっているような感覚がしました。
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「人々はそれを欲するところのそれを信じる」という言葉があります。『ガリア戦記』でのカエサルの言葉らしいですが、「人は見たいように見る」と思ったり感じたりすること、私には多くあります。そんな局面のひとつが、私がアスペだと伝えたあと、相手が言葉を投げ返す場面、例えば「アスペには見えないね」という言葉を聞いたときです。
「がんばったで賞」を、もらったことがありますか。私は小学校低学年の頃にもらった記憶があります。成果よりも過程を大事にするタイプの人たちが発明しそうなこの賞は、あえて発明しなければならないほど、世の中にはありふれていないもののひとつです。ふつう、がんばったから即ち成果につながることは、なかなかありません。