マンガで補う「察する感覚」
アスペしぐさ 第1回
こんにちは、TENTONTOメンバーのボウシです。今回から始めさせて頂く新連載「アスペしぐさ」。この連載では、アスペルガー的な感覚の違い、それに起因する行動を「アスペしぐさ」と名付け、私ボウシがアスペしぐさ師範代として、アスペに関連するあるある&私なりの困りごと対処法(体験談)を紹介していきます。今回は、「察する感覚」の違いを知識で補う“センサリーな教科書”として、私がマンガを使ってきた話をご紹介します。
相手の意図、周囲の空気、人間関係。ASD(自閉症スペクトラム)の方は、そのような明文化されていない曖昧なものを理解するのが苦手と言われています。これらは過去の、共感化指数や文脈盲についての記事でも触れています。
TENTONTOではASDなどの発達障害を持つ方を、生まれつきの「感覚の違い」を持つ方と捉えています。つまりASDの方の場合は「察する感覚」において、多くの方とズレがある、と言い換えることができそうです。
アスペルガー症候群の青年が主人公の映画「シンプル・シモン」では、主人公のシモンが、喜怒哀楽の表情をした顔のイラストを目で見て覚え、他人の顔と照らし合わせて感情を捉えようとするシーンがありました。これは相手の心を察することが難しくても、多くの人とは違う当事者向けのやり方で対処してしまおうという方法です。私の場合はマンガを使って、それと似たようなことをしてきました。
『絶対可憐チルドレン』 椎名高志 小学館
この作品は、世界最強の超能力を持っているナマイキな女の子3人が主人公の、コメディバトルマンガです。私はこのマンガのストーリーから色んな察するヒントを得てきました。具体的に私に役立ったエピソードをご紹介します。
人はそれぞれ違う性格、考え方を持っていて、多様性がある
自分の生まれ持った能力を人のために役立てようとする主人公サイド。対して、能力を理由に今まで自分を虐げてきた人間に報復しようとする敵サイド。同じような能力、特徴を持っていても、イコール自分と意見が同じ、ではない。その中でも、異なる性格によってさらに意見が割れたりする。
こんな言動をすると、周囲はこういう反応をするというパターンがわかる
たびたび問題を起こす主人公たちは、最高責任者に叱られれば、しおらしく反省した態度を取る。しかし権力を持たない直属の上司に対しては、反抗的で命令無視を繰り返し、再びトラブルへと繋がる。相手の立場によって、あからさまに接し方を変える人もいる。
人が態度で示すメッセージについて、ストーリーと絵で理解できる
好きな人がお見合いをすると聞いて、怒って邪魔をしようと企む主人公たち。しかし遠慮がちな主人公のうちの一人は、体調不良を理由に欠席する。そのような台詞は無いが、これは実際に体調が悪いのではなく、彼女の抱く感情が他二人とは異なるものであるということを表現している。
次回も引き続き、マンガを使って私が解決してきたことをご紹介していきます。
ボウシ